福島の山々 >> 南西部 >> 三岩岳 (2065.2m)  
南会津町の旧・伊南村を代表する名峰で、会津駒ヶ岳を中心として南北
に連なる山塊(南会津アルプス)の一角を占める。古名は駒ヶ嶽。ブナ
やオオシラビソの原生林に覆われた美しい山で稜線部には草原や湿原も
点在する。平成7年に開催された福島国体で山岳競技の会場となった時
に登山コースが整備された。登山者でにぎわう隣の会津駒ヶ岳とは対照
的に静かな登山が楽しめる。高山植物が開花し始める6月下旬〜7月、
紅葉を楽しめる10月が特にお勧め。体力と時間に余裕のある方は、窓
明山・家向山を経由する周回コースも楽しめる。

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● マピオン ・・・・ 三岩岳の周辺地図
● 国土地理院 ・・・ 三岩岳の周辺地図 
● 市町村のサイト ・ 南会津町
● 観光協会等 ・・・ 南会津町観光物産協会
● その他 ・・・・・ 宿泊施設・旅行・観光  登山用品
            ガイドブック
三岩岳
東北百名山 うつくしま百名山 会津百名山

  交通:会津鉄道「会津高原尾瀬口」駅より、会津バス「あずき温泉」下車またはタクシーを利用
マイカー:小豆温泉登山口に20台ほど収容できる駐車場がある
所要時間:小豆温泉登山口(1時間50分)旧道出合い(1時間40分)避難小屋(40分)三岩岳山頂
他登山口:保太橋登山口(窓明山・家向山経由コース)、旧道登山口(国体コース)
 山開き:毎年6月下旬ごろ(日程は変更になる場合もあります)
     ※問合せ:南会津町観光物産協会 伊南観光センター (0241-64-5711)
     ※福島県内の山開き日程の一覧

国道352号線の小豆温泉スノーシェッドの途中に小豆温泉への入口(T字路)がある。 スノーシェッドを出てすぐの所に三岩岳の駐車場がある。マイカーなら20台くらいは駐車できそうな広さ。 駐車場の隅からから国道を渡った所が、登山口となっている。直ぐ近くの黒檜沢には二重滝とよばれる二段の滝がある。 登山口からコンクリートの法面を斜めに上り、スノーシェッドの上を歩く。 100mほど歩くと右手に急な鉄階段が見えてくる。鉄階段を登り終え1〜2分ほど歩くと平成23年7月の豪雨による崩落個所。 眼下に黒檜沢を見下ろしながら通過する。黒檜沢はとても美しい沢で、沢登りでも人気。

スノーシェッド内T字路 三岩岳駐車場 国道を渡り登山口へ
スノーシェッド内T字路 三岩岳駐車場 国道を渡り登山口へ
伊南川と黒檜沢の出合い 小豆温泉登山口 スノーシェッドの上を歩く
伊南川と黒檜沢の出合い 小豆温泉登山口 スノーシェッドの上を歩く
鉄階段を上る 黒檜沢 平成23年豪雨による崩落個所
鉄階段を上る 黒檜沢 平成23年豪雨による崩落個所


登山口から30分ほど歩くと黒檜沢の流れと出合う。一本橋とも呼ばれる渡渉箇所である。ここで黒檜沢の右岸から左岸に渡る。 コンクリートの階段と仮設の鉄パイプ橋があるが、損壊しているので靴を濡らしたり滑ったりしないように注意しながら飛び石を渡る。(最新情報は要確認) 沢の水量が多い日は、旧道(国体コース)を利用した方が無難だろう。 ブナの快適な登山道に変わり着実に高度を稼ぐ。途中、三岩岳の山頂と滝を遠望できるスポットがある。 枝沢を3本通過すると名物の「斜め木道」。木道を通過し終わるとすぐ枝沢。水量が比較的多いので水を補給するのにいいと思う。 さらに枝沢を2本ほど通過し、高度を上げていく。

一本橋(黒檜沢出合い) 一本橋(振り返って) ヤマアジサイ
一本橋(黒檜沢出合い) 一本橋(振り返って) ヤマアジサイ
ブナ林の快適な登山道 三岩岳山頂と滝を望む 枝沢を通過
ブナ林の快適な登山道 三岩岳山頂と滝を望む 枝沢を通過
斜め木道 木道直後の枝沢 枝沢を通過
斜め木道 木道直後の枝沢 枝沢を通過


一本橋(黒檜沢出合い)から1時間20分で旧道コース(国体コース)出合い。 コース案内図と雨天時(出水時)は旧道を利用と書かれた注意看板がある。家向山の眺めがいい。 ここからは快適な尾根道となる。8月上旬、リョウブの白い花やツバメオモトの青い実が目立つ。 標高1590m付近には東側〜南側の眺望がいい場所があり「見晴台」と呼ばれる。

旧道(国体コース)出合い 雨天時の注意看板 コース案内図
旧道(国体コース)出合い 雨天時の注意看板 コース案内図
家向山を望む リョウブ ツバメオモトの青い実
家向山を望む リョウブ ツバメオモトの青い実
東(高畑スキー場、那須連峰) 南東(越郷山、荒海山) 南(羽毛山、田代山・帝釈山)
東(高畑スキー場、那須連峰) 南東(越郷山、荒海山) 南(羽毛山、田代山・帝釈山)


見晴台から上は針葉樹林帯に変わりオオシラビソが目立つようになる。窓明山も北側に遠望できる。 見晴台から15分ほど登ると道端に小さなお地蔵様が置かれている。 8月上旬、登山道沿いにゴゼンタチバナの白く可愛い花が群生している。 モミジカラマツの花も目立つが、マイヅルソウやシャクナゲは名残り咲き。エンレイソウは花を終えて実をつけている。 標高1810m付近には小湿原があり、コバイケイソウがまだ見ごろ。イワイチョウの花もまだ十分見られる。

窓明山を望む 石地蔵 オオシラビソ林
窓明山を望む 石地蔵 オオシラビソ林
モミジカラマツ 避難小屋手前の小湿地帯 イワイチョウ
モミジカラマツ 避難小屋手前の小湿地帯 イワイチョウ


小湿原から5分ほど登ると、避難小屋。 しっかりした造りで内部も綺麗に利用されている。ロフトがあり15名ほど収容できるだろうか。 小屋の前にある水場は水量があまりないが、窓明山方面へ30mほど進んだ所にも水場がありこちらの方が水量が若干多い。 小屋の直ぐ上で窓明山方面へのコースを右に見送り南進する。 5分ほどでやや乾燥気味の少し傾斜した小湿地帯。8月上旬、ネバリノギランが見ごろ。 小湿地帯を通過するとやオオシラビソ林。ここではイワカガミ、ミツバオウレンの名残り咲きが見られた。

避難小屋 水場 避難小屋(振り返って)
避難小屋 水場 避難小屋(振り返って)
窓明山分岐 コース案内図 避難小屋上の小湿地帯
窓明山分岐 コース案内図 避難小屋上の小湿地帯
ネバリノギラン イワカガミ ミツバオウレン
ネバリノギラン イワカガミ ミツバオウレン


樹高がそれほど高くないオオシラビソの疎林を通過すると笹原。頭上を遮る物がなくなり日射しが強い。 やがて三岩の岩峰の手前の小湿地帯。コバイケイソウとミヤマリンドウが見られた。 三岩の岩峰にあるという駒嶽神社の祠へ至る道は藪で確認できなかった。 この湿地帯から山頂までは草原のような開放的な雰囲気で、眺望を楽しみながら登る。 避難小屋から40分ほどで小狭い山頂に到着。三等三角点のある山頂は東側〜南側の眺望がいい。 三岩岳の山名の由来とされる三つの岩峰「三ツ岩」がよく見える。眼下の下大戸沢にはまだ残雪が見られた。 厳密には200mほど南西方向にあるピークの方が三角点のある場所よりも少し標高が高い。 手前には小湿地帯も確認できるが、夏道はなく藪こぎが必要だろう。 復路は窓明山を経由して小豆温泉登山口に戻ることにした。

小湿地帯(駒嶽神社分岐) ミヤマリンドウ 笹原(北側を振り返る)
小湿地帯(駒嶽神社分岐) ミヤマリンドウ 笹原(北側を振り返る)
三岩岳山頂(遠望) 三岩岳山頂 三等三角点
三岩岳山頂(遠望) 三岩岳山頂 三等三角点
東(三ツ岩) 南東(下大戸沢) 南(会津駒ケ岳)
東(三ツ岩) 南東(下大戸沢) 南(会津駒ケ岳)



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