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藤原川の上流の景勝地「川上渓谷」から登り始める。お山掛けコースと呼ばれるこのコースは、
藤原林道の起点が登山口となっており、数台の駐車スペースがある。
登山口手前には〆張場がある。登山口から藤原林道を渓谷沿いに5分程歩くと不動滝。
さらに5分程で御前滝・御前坂分岐。御前坂を左に見て直進すると100m程の所に御前滝がある。
このまま沢を登ってもいいが、今回は分岐までもどり御前坂の九十九折りの急坂を登っていく。
山中の随所には磐城三十三観音五番湯ノ岳観音の別当「三箱山法海寺」が設置した
第一の木戸から第八の木戸までの柱標があり、僧侶の修行場だった頃の湯ノ岳を偲ぶことができる。
(第九の木戸と第十の木戸については、田場坂登山口からのコースをご覧ください。)
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御前坂の九十九折りには「一曲がり」から「九曲がり」まで名称がついている。
「四曲がり」付近には大岩に座する見事な巨木を見ることができる。
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御前坂を登りきると、傾斜は緩やかになり一息つける。毘沙門滝は柱標より少し
沢側に降りないと確認できない。さらに10分程登ると姥様があり、その脇には
水場(霊泉)がある。水場から少し登ると林道に出合うので100m程左へ行く
と登山口があるのでそこからまた登り始める。初めは杉林だが次第に赤松林に変
わる。車の通行する音が聞こえると間もなく、湯ノ岳パノラマライン(県道37
1号線:湯ノ岳別所線)と出合う。
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湯ノ岳パノラマラインを左へ50m程登ると車2台分程の駐車スペースがあり
その脇が登山口となっている。幅の広い道を登ると直ぐに分岐。どちらを選ら
んでも山頂に行けるが、三箱石を通過するには左を選択する。南麓の法海寺の
山号である三箱山は、ここの三つの霊石である三箱石に由来する。三箱石から
5分ほど歩くと三等三角点のある山頂。山頂一帯は通信施設が占拠し展望はあ
まりない。
[ 参考 ]
高僧徳一が三学(戒、定、慧)の箱をこの大石の下に納めた(あるいは石に書き記した)ことから
三箱石といわれるようになったという伝承が残っている。また、古代朝鮮語ではハコは神を意味するという。
サハコの由来に関連する興味深い伝承の一つだ。
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山頂から1km程北は湯ノ岳パノラマラインの終点(終点から先は林道)となってお
り駐車場と展望台がある。ここからは360度の大パノラマが広がり、北には三大明
神山や一等三角点を有する二ツ石山、北東にはいわき市のシンボル的存在の水石山、
東側〜南側にはいわき市街地と紺碧の太平洋を望める。展望台直下の東側にはパラグ
ライダーのテイクオフエリアがあり悠々とパラグライダーを楽しむ人々をよく見かけ
る。展望台付近にはブランコやジャングルジム、滑り台等もあり子供連れで楽しめる。
また湯ノ岳の中腹には丸山公園・湯ノ岳山荘がありバンガローやキャンピング場など
が整備され多くの家族連れで賑わう。
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川平炭鉱跡(山神様跡)にも登山口がある。
古くからよく利用されている登山口だが、近年は川上渓谷のコースに比べて登山者は少なくなっている。
登山口は民家の間の道を30mほど入った所にあるので少々分かり難い。
竹林の中の登山道を登り始めるが、間もなく尾根道に変わる。
常磐自動車道を走行する自動車の走行音が次第に大きくなり、高速道路の上を跨ぐ川平8号橋を渡ったら左手前方のコンクリートの階段を上っていく。
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高速道路の車の走行音も幾分小さくなった頃、小沢を渡る。指道標があるので、コース
が間違いないことを確認できる。夏場だとこの辺から暫くは蚊やクモの巣に悩まされる
ので、忌避剤を忘れないようにしたい。米軍機遭難慰霊碑(11分)の看板のある作業
道と出合と間もなく道は二岐に道分かれるが、テープや踏み跡をよく見て登れば大丈夫。
やがて薄暗い杉林から明るい雑木林に変わり露岩の尾根道を歩く。ブナの大木が見事。
展望台への分岐地点まで来れば山頂は近い。林床には笹が生い茂るようになる。
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7月上旬、暗く湿った杉林の登山道脇にはジャノヒゲが目立った。ヤマアジサイは
名残り咲きで、そろそろタマアジサイが見頃を迎えようとしていた。
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川上渓谷・田場坂(藤原登山口方面)への分岐の看板を右にみて左へ少し登ると、
鳥居が見えてくる。鳥居をくぐると第七の木戸(三箱石)がある。三つの岩がある
のでお参りして行こう。さらにノハナショウブ、オカトラノオ、アザミの目立つ登
山道を登り、通信施設のアンテナが見えてくると車道と出合う。程なくして第八の
木戸(経塚)のある山頂に着く。
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いわき市常磐藤原町田場坂にも登山口がある。
江戸時代の宿場町の面影を残す「田場坂の町並み」は「いわき百景」にも選定されている。
県道14号線(御斉所街道)から法海寺へ入り800m程過ぎた所が田場坂登山口。
柱標が建っているが見過ごし易いので注意。しっかりした踏み跡の登山道を登ってゆく。
桧林の中の急坂にはトラロープや階段も整備されている。
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登山口から30分程で丸山公園分岐。沢を離れ雑木林や杉林・桧林の中を進み沢を渡る。
途中、頭上が大きく開けた広場のような所を過ぎ雑木林の中を登ってゆく。
暫くすると湯の岳パノラマラインのガードレールが見え隠れするようになる。
4月上旬キブシの淡い黄色い花が随分と目立つ。
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登山口から1時間30分程で湯の岳観音堂跡地。石段を上ると真新しい湯の岳観音堂別院が建っている。
由緒書きには高僧徳一が建立したとされる観音像と観音堂の変遷が記されている。
第十の木戸の柱標を探したところ新しい観音堂の裏側に置かれていた。
4月上旬、春を感じさせるオオイヌノフグリの小さな花が愛らしい。
指道標に従ってパノラマラインの方へ歩き、車道を渡ってガードレール脇から取りつく。
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観音堂跡から5分程で第九の木戸。登山道はパノラマラインの直ぐ脇を通っている。
杉林を抜け雑木林の中をひと頑張りで山頂へつく。観音堂跡からは30分程である。
ミヤマシキミの花は4月後半が見頃だろうか。
[ 参考 ]
湯の岳パノラマラインは路面の舗装状況もよく気持ち良いカーブが続くので、
週末ともなると高出力エンジンを搭載した車や大排気量オートバイがかなりの
スピードで走行を繰り返す時がある。県内はもとより県外ナンバーの車輌も
時折り見かける。そのような時に車道近くを通るときには、エンジン音やマフラー音、
排気ガスの臭いがひどい場合があることを覚悟しなければならない。
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湯の岳の南麓には丸山公園がある。ヤギやシカなどの小動物が飼育されており遊具もあるので子供連れで遊ぶのにいい。
4月の桜や5月のツツジの時期もお勧め。丸山公園の奥の方には湯の岳山荘があり宿泊やキャンプができる。
丸山公園の上の方には、湯の岳平和観音と慰霊碑が建っている。ここからは太平洋の大海原を見渡せる。
先の大戦により遥か海の彼方で非業の死を遂げられた多くの方々の供養の為に地元の皆さんが建立したもの。
[ 参考 ]
湯の岳は不法投棄が目立つ。人目のつかない山中のいたる所まで車道が通っており捨て易いのだろう。
地元の方々が愛してやまない歴史ある霊峰の悲しみの声が聞こえてきそうだ。
先の大戦で異国の地で亡くなった方々はどれほど日本本土へ帰還したかったことだろうか。
その夢にまでみた日本の現状はあまりにも悲しい・・・。
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丸山公園出入口から湯ノ岳パノラマライン(県道371号線:湯ノ岳別所線)を30mほど山頂よりに上った所が登山口となる。
白いガードケーブルの△型端末支柱の隙間から下りていく。沢に沿って5分ほど下ると指道標が立っており田場坂登山口からのコースと出合う。
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