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棚倉町の中心部から3km余り西へ進に祝部内(ほうりゅうち)地区に入る。
車道の右手に立派な石の鳥居が見えてくる。石柱には「村社 富士浅間神社」と刻銘されている。
傍らには教育勅語の石碑も建っている。ここから北側へ小川に沿った道を入って行くと社殿と駐車スペースがある。
境内にある杉の大木がこの神社の長い歴史を物語っている。
救荒植物として植えられることが多いヤマナシも実を付けていた。
砂防ダムの奥にはこれから登る山頂が少しだけ顔をだしている。
指道標に従い拝殿の左手よりガードレールの付いた道を登っていく。
[ 参考 ] ■教育勅語は1890年(明治23年)に明治天皇のお言葉として公布されたもの。
「朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ・・・」は、
戦前の教育を受けられた昭和一桁生まれくらいまでの方であれば暗記している方も多いだろう。
帝国主義が蔓延する世界情勢のもと富国強兵を進める明治政府や軍部が喜びそうな内容であるが、
知育と体育が偏重され徳育が軽視されがちな現代を憂う時、十二の徳目などは限定的に評価されてもいいかもしれない。
■救荒植物(きゅうこうしょくぶつ)は、飢饉などで食料が不足した時の非常食として利用される植物。
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ガードレールの付いた道を200mほど登っていくと杉林になる。四輪駆動車であればここまで入れるだろう。
杉林の中の登山道は小さな沢を登っていく。すぐ左手に水場もある。ウワバミソウが群生している。
大山祇神の石碑を過ぎて、落差1mくらいの水量の少ない斜滝を越えるとやがて沢が二俣に分かれる。
ここには登山口の指道標が掛けられている。沢から離れ、尾根に取り付いて登っていく。
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少々急登だが雑木林の中の気持ち良い登山道である。9月下旬、足元のツルリンドウがルビーのような美しい赤い実を付けていた。
着実に高度を稼げば二俣から20分ほどで山頂。
山頂には浅間神社の奥の院となる立派な石祠が鎮座している。
主祭神の木花咲耶姫命は五穀豊穣の女神でもあるという。
綺麗に草刈りされた山頂は山麓に住む人々がこの山を大切にしている証。
人懐っこいアゲハチョウがしきりに私の回りを飛び回る。歓迎されているようで嬉しい。
体力と時間に余裕があれば小菅生への登山道を下りてみるのもいいだろう。
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山頂からの眺望もなかなかいい。南の八溝山塊は圧倒的な存在感がある。
西北西には関山の三角形が美しい。条件が良ければ那須連峰も遠望できるだろう。
北には安積平野(中通り)が広がる。9月下旬、水田地帯が黄金色に輝き美しい。
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