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標高1800m余りの高山であるが磐梯吾妻スカイラインを利用し鳥子平登山口までマイカーを利用すると標高1600mからスタートできる。
登山口から50mほどで鳥子平の湿原。これから登る山頂部も間近に望める。
小さな湿原の中央部まで木道を歩くと三差路となっているので東側へ進む。高度を着実に稼いで40分ほどで大きな反射板が見えてきたら山頂である。
東には福島盆地や阿武隈山地、西には東吾妻山や東大巓、昭元山を望める。三等三角点は、北へ少し藪を漕いだ所にある。
三等三角点の周囲がきれいに刈りはらわれていたおかげで見つけ易かった。
9月中旬、湿原のツルコケモモや登山道沿いのマイヅルソウの赤い実が宝石のように美しい。
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兎平駐車場からスカイラインの車道を挟んで、吾妻小舎と兎平キャンプ場(兎平野営場)への入口がある。
兎平駐車場から吾妻小舎方面へ車道を横断し、
直ぐにスカイラインと並走する兎平キャンプ場内の登山道に入り、南下して鳥子平湿原を目指す。
30分ほどシラビソ林の中を歩くと鳥子平湿原。7月中旬、ワタスゲの白い果穂が風に心地よさそうにゆれている。
ここからは先述の鳥子平湿原からのコースを参照のこと。
[ 参考 ] ■浄土平にはトイレやレストハウス、ビジターセンターがあるので、浄土平駐車場を利用するのもいい。
ただし、駐車料金として乗用車の場合は500円(最新情報は要確認)が必要となる。
■兎平近くには吾妻小屋が建っている。浄土平の喧騒とは対照的に静かに時間が流れる。
時間に余裕があればコーヒーでもいただいてはいかがだろうか。
■桶沼も近い。五色沼(吾妻の瞳、魔女の瞳)同様、神秘的な雰囲気が漂う紺碧の美しい沼である。
ぜひとも立ち寄っていただきたい。
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幕川温泉のすぐ手前に幕滝遊歩道の駐車場があるので車を止める。
ここから幕川温泉の方へ進むと水戸屋と吉倉屋の間に遊歩道入口があり、建物の裏手へ道が延びる。
ブナ林の中を緩やかに下っていくと「てんぷう橋」。
渡り終えるとサワグルミの群落。荒川に架かる「第一木橋」を左岸へ渡り、指道標に従ってガレ場を上っていく。
「この周辺で気象条件等により蒸気が噴出している場合がありますので、付近を通行する際は十分ご注意ください。(福島市観光課)」と書かれた
注意看板が設置されている。
少し硫黄臭がするので、臭気が強い場合は気を付けたい。
今度は「第二木橋」を右岸へ渡る。鳥居を潜ると「しらかば橋」。
[ 参考 ] 幕滝は落差30mで岩壁から浸み出した水が幾筋も見られる荘厳な雰囲気の滝。
「ふくしまの水30選」、「うつくしま ふくしま水百選」に選定されている。
幕川温泉から幕滝まで遊歩道(幕滝遊歩道)がある。遊歩道の総延長は700mで橋が6箇所に設置されている。
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しらかば橋を渡ると「幕川温泉地区自然観察路案内図」が設置されている。
麦平方面へはこのすぐ先にある「つばくろ橋」の手前右手の踏み跡を登っていくが、
その前に幕滝に立ち寄ることにする。
つばくろ橋を渡り鳥居を潜り右手に小滝を見送り進んでいくと「たきみ橋」。
濡れて滑り易いので注意したい。
登っていくと視界が開け幕滝の全貌が視界に飛び込んでくる。
荘厳な雰囲気を感じる名瀑。滝壺近くの展望台(滝見台)まで近寄ると滝壺がよく見える。
岩壁からも幾筋もの水が滴り落ちている。9月上旬、ダイモンジソウの花が見頃。
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幕滝からつばくろ橋まで戻り、渡り終えた所から左手に延びる踏み跡を上っていく。
チシマザサに覆われ登山道は分かり難い(最新情報は要確認)。地図とコンパス、GPSなどを持参し道迷いのないように気を付けたい。
オオシラビソやブナ、ミズナラなどの大木に樹名板が付けられている。「ブナ・チシマザサ群落」と書かれた解説板も見られる。
さらに進むとキタゴヨウやコメツガ、オオシラビソも散見するようになる。
標高1440m付近には「オオシラビソ群落」と書かれた解説板が設置されている。その先のオオシラビソの木には熊の爪痕も見られる。
熊よけの鈴は必須である。つばくろ橋から1時間ほどで麦平に着く。
麦平手前の登山道もチシマザサに覆われて藪こぎに近い。夏場でも長袖がお勧め。
麦平は湿地が広がり頭上が開け気持がいい。高山山頂の反射板もよく見える。
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湿地帯を荒らさないように踏み跡を進むと、右から土湯温泉からのコースを合わせる。
ここから進行方向が変わり北西方向に進んでいく。
幕川温泉からのコースと違い刈り払いされた登山道は少し滑り易いが藪こぎ不要で快適。
しだいに傾斜も急になってくるがオオシラビソの中の気持良い登山道である。
途中ニホンザルにも出合えたがカメラのピントが合わず残念。
山頂が近付くとオオシラビソの樹高も低くなり、東側に二本松市や福島市を望むことができる。
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土湯温泉街の荒川に架かる早乙女橋を渡り向瀧旅館の近くの細い車道を男沼・女沼・仁田沼方面へ上っていく。
途中まで「不動湯」の案内に従うと分かり易い。2kmほど進み男沼林道の男沼支線に分け入ると砂利道となる。
途中、ニホンカモシカ3頭を見かける。砂利道を1.3kmほど進むと男沼林道の本線と交錯する。
ここの十字路を右折するとすぐゲートが設置されている。ゲートは施錠されていないが、手前の駐車スペースに車を止めて男沼林道(本線)を歩き始める。ゲートの標高は660mほど。
九十九折りのカーブの箇所からは男沼を遠望できる。ゲートから3kmほど歩くと「高山入口」と書かれた手書き看板が建っている。
その先右手に高山登山口がある。ゲートからここの登山口までは歩いて40分ほどを要する。
植林されたものだろうか、赤松の目立つ登山道を登っていく。
[ 参考 ] 電車とバス利用の方は早乙女橋ではなく、少し上流の荒川大橋の方を渡り、
途中まで不動湯温泉への歩道を利用した方が時間を短縮できる。
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登山口から10分ほどで麦平分岐。塩ノ川・的場川(ツバクロ滝)方面へ至る道を前方に見送り左へ入る。
瀬峰(三角点標高1024.7m)を目指して南西方向へ土塁に沿って登っていく。
ブナやミズナラ、ダケカンバが目立つ。
通称「ふんどし」とよばれる痩せ尾根になると、ブナの大木やツアー標識が目立つようになる。
灌木越しだが箕輪山の雄大な山容を望むことができる。
次第にミズナラは少なくなりブナとコメツガの混交林となるが、ミズナラの意地を見せるかのように、
標高1420m付近に一際見事なミズナラの巨木が一本佇んでいる。
標高1440m付近のガレ場を越えた辺りではクロベが目立つ。
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標高1450m付近からはブナも見られなくなり、オオシラビソとコメツガの混交林となってくる。
マナー看板を過ぎて暫くすると高山山頂と山頂部に建っている反射板が見えてくる。
チシマザサが群生する平坦な登山道を少し進むと麦平に着く。湿地帯の南側からは先述の幕川温泉からの道を合わせる。
9月上旬、アヅマホシクサとエゾオヤマリンドウの花が見頃。
[ 参考 ] アヅマホシクサ(吾妻星草)は吾妻連峰の固有種(特産種)で、鎌沼でも見かけるが麦平の群生の方が圧巻ではないだろうか。
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