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県道65号線(小野郡山線)の浮金小学校近くに大きな案内板があるのでそこを入る。指道標に導かれすぐに登山口に着く。
駐車場は二箇所あり登山口の手前は少し狭く、奥は広い。それでもツツジの季節は駐車場が朝から満車になることもあるが、
他の季節は比較的静かな登山を楽しめる。西側には良質の黒御影石が産出されるという黒石山が間近に見える。
高柴山のツツジは1985年に福島民報社が主催した「ふくしま緑の百景」に選定されている。
山頂まで1100mである。登山道や指道標は整備されているが、念のため案内図でコースをよく確認してから登ろう。
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広い登山道は作業道を兼ねた道と交錯しながら山頂まで続く。
小野町観光協会によって指道標が整備されているので迷うことはない。
道沿いの樹木にはミズナラ、コナラ、イヌシデ、イタヤカエデなど樹木名の看板が掛かっている。
10月初旬、クリの実を随分と見かけた。実は小さめだが味はいかがだろうか。
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山頂まで600mの地点には太鼓石への分岐と案内碑がある。案内に従い右へ150mほど緩やかな坂を下れば太鼓石。
案内碑には『八締太郎義家が奥州阿部貞任を攻めた際に人馬ともつれたので、この大石を打嗚らしたたところ、
忽ち大きな太鼓の音とかわり士気大いにあがり敵を追い進軍したといわれる。(小野町、小野町観光協会)』とある。
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登山道の中間地点では南側が開け日影山を正面に望める。ベンチもあるので小休止したい。
ここから10mほど北側へ登った所には物見石がある。山頂直下まで登ると登山記帳箱があり、その脇が御神水への分岐となっているので寄っていこう。
50mほど下っていくと御神水。以前より整備された様子だが、水量が少ないのであまりあてにしない方がいい。
先ほどの分岐まで戻り少し登れば頭上が開けヤマツツジに覆われた広大な山頂の一端。
かつては馬の放牧地になっていた山頂は芝が生えており広い。
地元の方の寄贈により新しく設置された東屋と古いトイレを過ぎて山頂の展望台。
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三角点のある山頂に着いても背の高いヤマツツジに覆われているため展望台に登らないと展望が得られない。
山頂の展望台は立派だが、経年劣化により木製の踏み板などに少々痛みが見られるので気をつけたい。
展望台に登ると360度に近いすばらしい眺望を得られる。
2万本以上といわれるヤマツツジに覆われた山頂一帯も俯瞰できる。
見頃の頃はミヤマキリシマで有名な平治岳(大分県くじゅう連山)の山頂一帯に広がる大群落を連想させる美しさ。
[ 参考 ] ヤマツツジの群落の中に入ると迷路の中の様になる。見通しの利かない小さな子供などは迷子にならないように気をつけたい。
もしもの時の集合場所(展望台など)を決めておくといいだろう。
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山頂から少し離れた所には小野町の浮金地区の方々によって平成18年9月に奉納された真新しい高柴山神社があった。
今後も高柴山は地元の人々や多くの登山者に愛され続けてゆくことだろう。
10月上旬、ヤマツツジやガマズミの紅葉が綺麗だった。他にも足もとでは秋の草花が見頃を迎えていた。
マツムシソウは放牧が行われ牧草地だった山々でよく見かける花である。
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国道349号線の田村市大越町牧野地区にある大きな看板に従って、林道「長根大堀」線に入る。
林道沿いにはアジサイが植えられておりピンクや青の花が美しい。たかねアジサイ公園を過ぎればあと700mで登山口。
牧野登山口には広い駐車場があるが、ヤマツツジの季節の週末などは駐車場が満車になることもある。
若返り清水まで続く杉林の中の広い登山道は、軽四駆などは登っていけないこともないが無理はしない方がいいだろう。
[ 参考 ] 高柴山のことを地元では高峰(たかね)と呼んで崇敬してきた。たかねアジサイ公園はその高峰からの命名だろう。
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「若返り清水」は一杯飲むと10年若返るという清水。残念だが現在は煮沸してから飲むように勧める注意書きがある。
水場には地元の牧野小学校の生徒が卒業記念植樹で植えたミズバショウがあり4月には白い清楚な花を咲かせる。
水場からたぬき坂を登ってゆくと北側が開け方曽根山の眺めがいい。
山麓の里に電灯がともされた記念に植えられたという「高峰杉(たかねすぎ)」を過ぎて「紅葉坂(もみじざか)」を登れば「見晴らし岩」。
現在は木々が少々邪魔をするが枝の間から遠くを望める。山頂が近くなって見晴らしが良くなってきた頃、
高柴山で一番高いところに湧き出る清水が「高柴清水」。
[ 参考 ] 牧野登山口からのコースは、旧道と新道が交錯する。新道は広いが砂利が多く意外と歩きにくい。
旧道は狭いが土や落ち葉のクッション性がよく腰や膝に優しい。
上りや家族連れは新道、下りは旧道などいかがだろうか。
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「高柴清水」から200mくらい登れば広大な山頂の一端に到着。
ここからツツジの大群落の中に入ったら意外と見通しが利かない。山頂案内板があるのでよく確認しておこう。
近くには山小屋(避難小屋)があるので天候や体調が悪いときに利用できるだろう。集合場所としてもいいかもしれない。
ここから山頂展望台までは150mくらい。
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国道349号線の田村市船引門沢地区の新しい看板に従って、林道「門沢」線を終点まで入った所が門沢登山口。
乗用車10台以上は収容できそうな駐車場もある。沢沿いの登山道を登り始める。浮金登山口や牧野登山口とくらべて
野趣あふれる本格的な登山道となっている。
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薄暗い杉林の中には水場が三箇所ある。杉林の中の北側コースなので夏場の日差しの強い時期などに登る場合はお勧めのコース。
5月下旬、登山道沿いに透き通るような白のギンリョウソウが目立った。他にヤマボウシ、カマツカ、ミズキ、ハリエンジュなどの花も美しい。
尾根に着いてからまもなく展望台があり、北側の展望がいい。
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展望台から200mほど登ると広大な山頂の一端にたどり着く。
大岩が10個ほどあり北側の展望がとてもいい。水石と呼ばれる所である。坂上田村麻呂がこの大岩で戦勝を祈願して水をかぶったという。
天気の良い日はここで食事をするのもいいだろう。ここから山頂展望台までは150mくらい。
10月上旬、マムシグサのルビーのような赤い果穂、ノブドウのサファイアのようなが青い果実が美しい。ヤマボウシも実を沢山つけている。
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