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国道349号線の「小島中島」バス停付近より町道を東へ入る。町道を暫く進むと林道
「小島線」の起点となるので、そのまま林道を進んでいく。暫くするとゲートがありこ
こから先には一般車両は進入できないので、手前の駐車スペースに車を置いて、林道を
登り始める。途中「ササゲ石」といわれる大きな石や、参拝者が御籠り中に使用した箸
を捨てた場所である「箸収め」といわれる場所(沢)がある。この沢から50m程の所
に表参道入口がある。
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表参道入口から階段がついているのでそれを登る。50m程の階段を登りきったところに
羽山神社の鳥居がある。その脇には「大作山」と書かれた小さな碑が建立されている。こ
の辺りの山を大作山と呼ぶのだろうか。杉林の中の道が次第に急になり、露岩帯に変って
から少しすると「いぶし岩」と呼ばれる岩がある。その昔狸を燻り出したことから付けら
れた名前と云われる。急登を登りきると羽山神社の社がある。
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羽山神社から東へと延びる尾根上の快適な道を歩いていく。左(北側)がアベマキの林、
右(南側)が赤松の林となっていて面白い。アベマキの樹皮はコルクの原料として昭和初
期までは伐採されていた。山頂は狭く展望は東側が少しある程度。金網の柵で囲まれた旧
電電公社の「太郎坊無線中継所」跡があり、三角点の近くには真新しい社が建っている。
裏側には「遷座 平成十四年十月吉日 太郎坊山生産森林組合」とあるので、この新しい
社が新・羽山神社となっている可能性がある。
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帰路は来た道をそのまま戻ってもいいが、裏参道を下って周遊コースをとることとする。
長寿山へと続く主脈縦走路を100m余り下ると鞍部に出る。鞍部には指道標があり、
ここで東の田代地区共同墓地方面(藪気味)、南の長寿山方面(庭坂峠・田代峠方面)、西の裏参道方面に分かれる。
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裏参道を利用する人は少ないと思われる。夏季〜秋季にかけては背の高い草が生茂り、
藪漕ぎを強いられ、道が少々判り難い箇所がある。藪漕ぎが苦手な方は春がお勧め。
裏参道入口から舗装された林道を200m程下ると表参道入口へ戻る。
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表参道の入口を過ぎてもう少し下った頃、西〜南西方向の視界が開ける。
大気の透明度が良ければ吾妻連峰や安達太良連峰の雄大な眺めも楽しめることであろう。
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晩夏〜初秋にかけて、明るい林道沿いにはヤマハギやマルバハギが可憐な赤い花を咲かせる。
万葉の昔には春の桜のように秋にヤマハギで花見をする習慣があったようである。時を越えて
万葉人になったつもりで風流に鑑賞するのもいい。沢付近の湿った所にはツリフネソウ、
山腹にはオクモミジハグマが目立つ。
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