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一切経山の山頂から五色沼を右に見ながら家形山との鞍部へ下りていく。
鞍部には短いが木道もあり、植生を保護・養生するためのネットが所々敷かれている。
間近から見る五色沼は吸い込まれそうなエメラルドグリーンが美しい。
鞍部から少し登り返した所が不動沢からの登山道との出合い。
吾妻山の会が建立した遭難の碑が立っている。碑文を読み、自戒の念を抱く。
ここから五色沼と一切経山の眺めを堪能しながら30分ほど登るとガレた山頂に着く。
登山客で賑わいを見せる一切経山の山頂とは対照的に誰もいない山頂である。
山頂にはケルンと主図根点がある。
一般的にはここが山頂だが、正確な家形山の最高点はシラビソ林の中のもう少し標高が高い所だろう。
[ 参考 ] ■日本庭園や公園、遊歩道沿いなどで休憩所として設置される寄棟造りの屋根をもった建屋は、
四阿(あずまや、しあ)とか東屋(あずまや)と呼ばれる。
吾妻連峰の「あづま」はこの家形山を始めこの四阿に似ている山が多いからとする説をよく聞く。
他に神話由来の「私の妻」説やアイヌ語説なども面白い。
全国的に散見される吾妻山や、長野県と群馬県の県境に位置し日本百名山に選定された四阿山(あずまやさん)の名前の由来と合わせて興味深い。
■5月上旬から中旬頃、五色沼(魔女の瞳)の湖面を覆っていた氷雪が融けて湖面が見え始める「魔女の開眼」を楽しめる。
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帰りは不動沢の登山口を目指す。先ずは遭難の碑の所まで戻る。
ここで一切経山へのコースを右に見送り、指道標に従って高湯方面へ下る。
大岩には白ペンキで「KO山荘」とあるので参考にできる。
古い地図に表記されている家形避難小屋(家形ヒュッテ跡)からの直登コースは廃道になって久しい。
7月中旬、白山石楠花のさわやかな白が涼しい。
山頂から25分ほど下ると大根森。特徴的なガレた広場で現在位置を確認し易い。
大根森からさらに5分ほど下ると慶応山荘分岐。「番人在中、コーヒー入ってます」の看板。時間があれば立ち寄りたい。
今回は先を急ぐので山荘には寄らず下山する。慶応山荘分岐から15分ほどで井戸溝である。
途中、カエルの絵が描かれたユーモアあふれるマナー看板や年代を感じるニッポンビールとかかれたツアー看板を見られる。
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井戸溝から20分ほどで頭上の開けた平坦地に変る。山鳥山である。
かつては山鳥が多く棲息していたのだろうか。山鳥山から5分ほどで小広い広場。
賽ノ河原(入口)である。足腰が随分と疲れてきた頃、小休止するにはちょうどいいだろう。
夏場は水分だけでなく熱中症予防の為に塩分やミネラルも摂りたい。スポーツドリンクが手軽。
暫く下るとマイカーやバイクのエンジン音が聞こえてくので、不動沢登山口が近いのが分かる。
駐車場手前の沢を渡渉して吾妻スカイラインの車道に出る。
賽ノ河原(入口)から20分、不動沢登山口である。
イワツバメが飛び交うことから名付けられたという「つばくろ谷」を観光して帰ろう。
[ 参考 ] 福島交通バス(不動沢バス停)利用の場合は、季節運行で本数が少ないので通過時刻を調べておくこと。
バスは浄土平から不動沢方向のみで、逆回り(不動沢から浄土平行き)はないので注意(最新情報は要確認)。
マイカー利用の場合は、不動沢に駐車して、家形山・一切経山を経て浄土平に出て(ご紹介したコースと逆回り)、
浄土平からバスで不動沢に戻るのが便利だろう。
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