■ |
土湯峠より磐梯吾妻スカイラインを利用して浄土平(登山口)へ向かう。
磐梯吾妻スカイラインの総延長は29Kmで浄土平はその中間に位置する。
スカイライン途中の景色は「日本の道100選」に選ばれただけあって実にみごと。
※スカイラインは11月中旬〜4月下旬は通行止めとなるので注意してください。
[ 追記 2014.08.17 ] 磐梯吾妻スカイライン、磐梯山ゴールドライン、磐梯吾妻レークラインは、
2013年7月24日に償還終了し、通行無料(一般道)となっています。
|
■ |
浄土平(登山口)は標高1600m近くあり、そこからの登りと
なるため2000m近い高山にしてはとても手軽に登山が楽しめる。
浄土平には大型駐車場やレストハウス、天文台、ビジターセンター等があり観光客で賑わう。
浄土平の喧騒をよそに駐車場南西側の登山口を目指す。
[ 追記 2009.7.19 ] 2008年11月より、本ページの往路でご紹介している浄土平からの直登コースは
大穴火口の噴気が強く二酸化硫黄や硫化水素などの火山性ガスが危険な為に通行止めとなっている。
迂回コース(酸ヶ平避難小屋からのコース)を利用のこと。(最新情報は要確認)
|
■ |
案内標識に従い旧火口や大穴火口(八幡焼けの噴気口)を見ながらザレた登山道を登る。
最初からの急登で汗を絞られるが、赤茶けたガレ場を旧火口上部付近まで登ると浄土平や吾妻小富士、桶沼の眺めがいい。
吾妻小富士はその名の通り富士山の様に美しい山容をしており、30分程で火口を一周(お鉢巡り)出来る。
[ 参考 ] 明治以降の主な噴火は、1888年(明治21年)の磐梯山の大爆発から5年後の1893年(明治26年)、
1950年(昭和25年)、1977年(昭和52年)の3回見られる。2000年には一切経山近くのスカイラインから外れた窪地で
火山性ガスによる死亡事故も発生している。常に気を抜けない活火山である。入山時には最新情報に気をつけたい。
|
■ |
ザレた山頂は広くなだらかで一等三角点と石積があるのみ。視界を遮るものは何もなく360°の大パノラマが展開し、
西吾妻山、昭元山、烏帽子山、東吾妻山、吾妻小富士などの吾妻連峰の山並みや蔵王連峰、安達太良連峰、磐梯山などの眺望が見事。
眼下には「吾妻の瞳」または「魔女の瞳」と呼ばれる五色沼が神秘的なコバルトブルー色に水を湛えている。
「雷沼(かだちぬま)」ともいい、昔はこの沼で雨乞いが行われたようである。
体力と時間(1時間前後)に余裕があればここから家形山方面(縦走路)へ足を延ばしてみてもいい。
[ 参考 ] 5月上旬から中旬頃、五色沼(魔女の瞳)の湖面を覆っていた氷雪が融けて湖面が見え始める「魔女の開眼」を楽しめる。
|
■ |
頂上から沢沿いに下ると酸ヶ平である。一帯が湿原となっており木道を歩く。
6月頃〜9月頃までは高山植物の花々で彩られるのでそれを楽しむリピーターも多い。
1999年に改築された酸ヶ平避難小屋もあるので悪天候の時には利用したい。しばらく歩くと形が
鎌に似ていることから名付けられたといわれる鎌沼に着くので、のんびりとお茶でも沸かして休みたい。
体力と時間(1時間前後)に余裕があればここから東吾妻山方面へ足を延ばしてみてもいい。
[ 追記 2006.7.30 ] 2005年、避難小屋の隣にトイレ棟が新築された。
簡易水洗式のエコトイレで快適。トイレ入口にはチップ投入口があり、一回100円程度の協力金を入れる。(最新情報は要確認)
|
■ |
今回ご紹介したコース周辺は標高1600〜2000mで亜高山帯に属し、
土壌も湿地、乾燥地、露岩帯と変化に富む為に多種多様な植物で彩られる。
6月下旬、兎平駐車場から登る栂平付近は、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、マイヅルソウ、コバイケイソウ。
浄土平から一切経山に登る途中の岩礫地には、イソツツジ、マルバシモツケ、アカモノ。
一切経山の中腹付近には、ミネヤナギ、クロマメノキ、イワカガミ。
酸ヶ平周辺では、ワタスゲやコバイケイソウ。鎌沼周辺には、チングルマや固有種のアヅマホシクサ。
蓬莱山の中腹付近では、ハクサンシャクナゲ、ムラサキヤシオツツジ、ミネザクラ、
ナナカマドなどが花を咲かせていた。
|