福島の山々 >> 北東部 >> 安達太良山 (1699.7m)  
山頂の岩峰の形から乳首山ともいう。智恵子抄では阿多多羅山と記され
ている。他に、安多多羅山、安達太郎山などが使われる時もある。深田
久弥の日本百名山にも選定されている福島県を代表する名峰のひとつ。
智恵子の「ほんとの空」が待っている。最も利用される奥岳登山口はあ
だたらスキー場脇にあり、冬場はスキー客、夏場は雄大な眺めと涼を求
めるハイカーで賑わう。あだたらスキー場のゴンドラを利用すればかな
りの高度を稼げるので家族連れにはありがたい。10月は紅葉も見事で
ある。山中に佇むくろがね小屋の白濁した温泉をはじめとして、安達太
良山周辺には温泉が散在しており登山でかいた汗を流せるのでぜひ利用
したい。主な登山口は7箇所あり各々特徴ある登山を楽しめるのが嬉し
い。健脚の方には土湯峠〜鬼面山〜箕輪山〜鉄山〜安達太良本峰〜和尚
山〜銚子ヶ滝〜石筵の縦走コースもお勧め。

● 福島の山々 ・・・ 北東部の地図  登山ルートと放射線量マップ
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             岳温泉観光協会 
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安達太良山
日本百名山 花の百名山 東北百名山 うつくしま百名山 会津百名山 ふくしま遊歩道50選

    交通:JR「二本松」駅より、福島交通バス「岳温泉」下車、タクシー利用
マイカー:あだたらスキー場の駐車場(無料)を利用
所要時間:奥岳登山口(50分)五葉松平(10分)薬師岳(1時間30分)山頂
他登山口:塩沢登山口(二本松市)表登山口(大玉村)沼尻登山口(猪苗代町)
     箕輪山方面 … 野地温泉登山口(福島市)、横向登山口(猪苗代町)
     和尚山方面 … 石筵登山口(郡山市)
 山開き:毎年5月第3日曜日(日程は変更になる場合があります)
     ※問い合せ先は、安達太良連盟事務局(二本松市役所商工観光課 0243-55-5122)
     ※福島県内の山開き日程の一覧

奥岳登山口 ( 登山口標高:約950m、所要時間:山頂まで2時間30分 )

あだたらスキー場に奥岳登山口がある。無料の広い駐車場があるのでマイカー利用に便利。 岳温泉からあだたらスキー場まで歩くと1時間半〜2時間程必要。 岳温泉からあだたらスキー場(奥岳)までシャトルバスも運行(要予約)されているが本数が限られる。 スキー場のゲレンデ入口には奥岳登山口の立派な標柱が立っている。

[ 参考 ] ■岳温泉(ニコニコ共和国)の杉は温泉街のシンボルとして昭和60年に「ふくしま緑の百景」にも選定されている。 ■あだたらスキー場では4月下旬〜11月上旬頃までゴンドラが運行されている。奥岳登山口から薬師岳山頂までゴンドラを利用すれば、安達太良山の山頂まで1時間30分ほど。 時間と体力に余裕ができるので検討したい。

岳温泉 あだたらスキー場の駐車場 あだたらスキー場のゲレンデ
岳温泉 あだたらスキー場の駐車場 あだたらスキー場のゲレンデ
奥岳登山口の標柱 レストハウス、ゴンドラ乗場 ゴンドラ
奥岳登山口の標柱 レストハウス、ゴンドラ乗場 ゴンドラ


今回はゴンドラを利用しないで先ずは五葉松平経由で薬師岳を目指す。 奥岳登山口の大きな標柱の所からパトロール棟の方へ進む。手前には登山者カードの記入場所がある。 薬師岳を経由するコースとする為、あだたら渓谷自然遊歩道(滝見橋)への道は右に見送り直進する。 600mほど進むと今度は烏川橋方面とゲレンデ方面に分かれるので、ゲレンデ方面に進む。 赤茶けたゲレンデ内の作業道を登っていと、リフト終点付近から登山道に変わる。 奥岳登山口から50分ほどで五葉松平の露岩部。安達太良山の山頂を望める。

パトロール棟の方へ 登山者カード記入場所 あだたら渓谷自然遊歩道の分岐
パトロール棟の方へ 登山者カード記入場所 あだたら渓谷自然遊歩道の分岐
あだたら渓谷自然遊歩道の看板 ゲレンデ内の登山道 五葉松平
あだたら渓谷自然遊歩道の看板 ゲレンデ内の登山道 五葉松平


五葉松平の露岩部から10分ほどで薬師岳山頂。 小広い薬師岳山頂は登山者やゴンドラ利用の観光客で賑わう。二本松市街地や遠く阿武隈の山々を見渡せる。 祠があり鐘を打つこともできる。「このうえの空がほんとの空です」と書かれた標柱も立っている。

薬師岳山頂 祠と鐘 安達太良山頂(乳首)を望む
薬師岳山頂 祠と鐘 安達太良山頂(乳首)を望む
二本松方面(北東) 二本松方面(東) 二本松方面(南東)
二本松方面(北東) 二本松方面(東) 二本松方面(南東)


薬師岳から山頂までの登山道はオーバーユースによる登山者の踏圧と雨水等の影響により 洗掘と拡幅が進んで少々痛々しい箇所が増えている。 薬師岳山頂から1時間30分ほどで安達太良本峰の山頂。山頂の岩峰(乳首)は梯子や鎖をたよりに登る。 離合困難な箇所もあるので、登山客の多い日は暫く待たないと上り下り出来ないこともある。 山頂付近一帯は名物の強風が吹き荒れることが多いので注意が必要。

登山道(薬師岳→山頂) シャクナゲ 山頂
登山道(薬師岳→山頂) シャクナゲ 山頂


山頂には紀元二千六百年記念(昭和十五年八月)と書かれた八紘一宇の大きな石碑が建っている。その基部に祠や二等三角点の標石、展望指示盤がある。 360度の眺望絶佳で、磐梯山や吾妻連峰、阿武隈の山々も見渡せる。 山頂を後にして牛ノ背と呼ばれる尾根を北進すれば、「沼の平」と呼ばれる火山特有の荒涼とした景色を見下ろせる。

山頂の祠 和尚山(南) 船明神山と磐梯山(西)
山頂の祠 和尚山(南) 船明神山と磐梯山(西)
阿武隈の山々(東) 鉄山・矢筈森(北) 沼の平
阿武隈の山々(東) 鉄山・矢筈森(北) 沼の平


風の強い主稜線を後にして、矢筈森を左手に見ながら「くろがね小屋」を目指して下山する。 小屋が近づくと荒涼とした山頂とは対照的に高山植物が出迎えてくれる。 矢筈森と鉄山の間は岳温泉の源泉を木管で引いている。「くろがね小屋」では100%天然の温泉に入浴可能。 小屋を後にして直ぐに「銀明水」の水場。冷たくて美味しい。少々判り難くいので通りすぎないように注意。 さらに数分歩くと「金明水」と呼ばれる水場でも喉を潤すことができる。

[ 参考 ] 深田久弥もくろがね小屋に一泊している。「日本百名山」(新潮社)に記載の行程は次の通り。 一日目:スキー場 → 勢至平 → くろがね小屋 (一泊) 二日目:鉄山と矢筈ノ森の鞍部 → 馬ノ背 → 山頂 → 沼ノ平南側の火口壁ふち → 保成峠 → 岩代熱海温泉 ※現在はくろがね小屋から鉄山と矢筈ノ森の鞍部へ直登する道は火山性ガスが危険なため閉鎖されている。 保成峠は母成峠、岩代熱海温泉は磐梯熱海温泉と思われる。

矢筈森の岩峰 ミネズオウ くろがね小屋
矢筈森の岩峰 ミネズオウ くろがね小屋
温泉源(木管) イワカガミ 金明水
温泉源(木管) イワカガミ 金明水


勢至平から広い道(馬車道)か旧道(登山道)を通って烏川橋まで降りてくると「あだたら渓谷自然遊歩道」への道を分ける。 遊歩道を下っていくと、紅葉滝、見返橋、千丈岩、大亀の石、平滑の床、平滑の橋、昇龍の滝、昇龍の橋、魚止滝、炭窯跡、二階滝を経て滝見橋を渡り往路の登山道と合流する。 県民の人気投票で上位にランクされ、「ふくしまの遊歩道50選」に選ばれた景勝地なのでぜひ足を延ばしてみたい。

烏川橋(振り返って) 案内図 平滑の床
烏川橋(振り返って) 案内図 平滑の床
昇龍の滝 千丈岩 魚止滝
昇龍の滝 千丈岩 魚止滝

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塩沢登山口 ( 登山口標高:約770m、所要時間:山頂まで3時間30分 )
 登山口(1時間30分)屏風岩(1時間)くろがね小屋(40分)峰ノ辻(20分)安達太良山山頂

塩沢スキー場の入口が塩沢登山口。入口手前の左側には登山者用駐車場がある。 塩沢登山口の大きな標柱や案内図が設置されている。 ここからスキー場のゲレンデを左に見ながら300mほど歩いて行くと、 林の入口に1/30と書かれた小さな里程標が掛けられている。 くろがね小屋までの行程を30に分けた目印である。現在位置を確認するのに便利。

[ 参考 ] 塩沢ルートは湯川渓谷の渓谷美を堪能できるコースで新緑や紅葉の時期がお勧め。 ただし沢沿いのコースの為、台風や大雨の影響を受けやすいので注意。 橋が流されたり土砂崩れが発生した場合などは通行止めになり易い。

塩沢登山口、駐車場 案内図 標柱
塩沢登山口、駐車場 案内図 標柱
案内図 スキー場内を進む 里程標(1/30)
案内図 スキー場内を進む 里程標(1/30)


塹壕のような登山道を登り始める。所々に水たまりがあり、スノコのような踏み板が敷かれている。 馬返し分岐を右に見て直進すると間もなく金剛清水。ここから暫くはミズナラやウダイカンバの大木が目立つ。 標高1000m付近の落石注意箇所を通過すると、三階滝分岐。 どちらを進んでも屏風岩で合流するが、三階滝コースは少々判り難いので注意。 今回は三階滝を見る為に三階滝コースを選択。 一般登山道を左に見送り、分岐から右下へ沢まで下ると三階滝の一階部分。奥には二階部分が見える。 沢沿いに滝壺の近くまで行くと左手に赤布と踏み跡があるので登っていく。梯子とロープが整備されている。 梯子を上っていくとすぐに三階滝の三階部分の滝。透き通った滝壺が美しい。

塹壕様の登山道 馬返し分岐(3/30) 金剛清水(6/30)
塹壕様の登山道 馬返し分岐(3/30) 金剛清水(6/30)
ウダイカンバの看板 落石注意箇所 三階滝分岐(13/30)
ウダイカンバの看板 落石注意箇所 三階滝分岐(13/30)
三階滝(一階部分、奥は二階) 梯子を上る 三階滝(三階部分)
三階滝(一階部分、奥は二階) 梯子を上る 三階滝(三階部分)


三階滝の三階部分の滝からさらに踏み跡を上っていくと屏風岩入口付近に出る。 屏風岩は沢に突き出るように細長い断崖である。ここからは滑状の斜瀑である相恋ノ滝を眺めることができる。 紅葉の時期に訪れるのもいいだろう。屏風岩から一般登山道に戻り滑落に注意が必要な難所を越えれば、八幡滝入口。 右手に30mほど歩くと八幡滝。扇状に広がる美しい斜瀑。近くまで寄れるが岩場は滑りやすいので注意。 八幡滝で小休止したら分岐まで戻り、直ぐに沢に架かる一の橋(天狗岩下ノ橋)を渡る。

[ 参考 ] 八幡滝の手前に数年前までは橋が架けられていた。 ここから中ノ滝、霧降ノ滝、僧悟台を通って笹平に至るコースだが、滑りやすく危険なため一般登山道としては廃道となった。 八幡滝に向かって右側に今でも鎖が残る。

屏風岩 相恋の滝 屏風岩入口(16/30)
屏風岩 相恋の滝 屏風岩入口(16/30)
難所を慎重に進む 八幡滝入口(18/30) 八幡滝
難所を慎重に進む 八幡滝入口(18/30) 八幡滝
案内図 指道標と警告看板 一の橋(19/30)
案内図 指道標と警告看板 一の橋(19/30)


一の橋を渡った所にはタマガワホトトギスが群生していた。ここからコースは頻繁に沢と交錯する。 天狗岩、二の橋(天狗岩上ノ橋)、三の橋(荒龍岩下ノ橋)、四の橋(荒龍岩橋)、荒龍岩の指道標、五の橋(荒龍岩上ノ橋)と続く。五の橋からは少しの間だけ沢から離れてダケカンバ林の中を通る。 なお、雨で橋が流されて無くなっている時は沢の渡渉も必要になるので、防水性の良い靴がお勧め。

タマガワホトトギスの群生 天狗岩(20/30) 二の橋(21/30)
タマガワホトトギスの群生 天狗岩(20/30) 二の橋(21/30)
岩場を慎重に登る 三の橋(22/30) 四の橋(23/30)
岩場を慎重に登る 三の橋(22/30) 四の橋(23/30)
荒龍岩の指道標 五の橋(24/30) ダケカンバ林(27/30)
荒龍岩の指道標 五の橋(24/30) ダケカンバ林(27/30)


しばらくするとまた沢と交錯する。六の橋(天狗の庭橋)である。今回は橋はなくロープのみだったが気をつければ大丈夫。 少し上ると左手に天狗の庭と呼ばれる湿地帯が広がる。指道標にはくろがね小屋まで700mとある。 少々ガレた登山道を上っていくと奥岳登山口からの広い登山道に出る。くろがね小屋も遠望できる。 少し歩くと左手に水場(銀明水)がある。”自然を大切に”と書かれた木片が置かれているだけであるが、冷たくて美味しい天然水である。

六の橋(28/30) 天狗の庭 奥岳コースと出合う(29/30)
六の橋(28/30) 天狗の庭 奥岳コースと出合う(29/30)
指道標(29/30) くろがね小屋を遠望 銀明水
指道標(29/30) くろがね小屋を遠望 銀明水


銀明水から3分ほどでくろがね小屋に着く。通年営業の山小屋で、 食事付きの宿泊のほか温泉だけの利用も可能。飲み物やお土産品も販売している。 小屋の中に入る時は靴の泥を落とすなどマナーを守りたい。 くろがね小屋で休憩をしたら今度は峰ノ辻を目指してガレ場を登っていく。 7月下旬、クロウズコが沢山の実を付けていた。 峰ノ辻では本峰方向と矢筈森方向に分かれるので注意。 今回は本峰方向へ進んで山頂に立ち寄ってから鉄山避難小屋を目指す。

[ 追記 2013.10.29 ] 2013年10月26日、くろがね小屋の初代管理人をされた二瓶義松さん(89歳)が老衰のためお亡くなりになりました。 長年、安達太良山の自然保護や源泉管理、遭難救助などにご尽力されました。登山者を温かく見守っていただきありがとうございました。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

[ 追記 2023.05.10 ] くろがね小屋は建物の老朽化により建て替えの為、2023年4月1日より休業中です。 2025年度中の営業再開を予定。(最新情報は要確認)

くろがね小屋(30/30) 源泉方面は立ち入り禁止 クロウズコ
くろがね小屋(30/30) 源泉方面は立ち入り禁止 クロウズコ
峰の辻 矢筈森(振り返って) 山頂の岩峰(乳首)
峰の辻 矢筈森(振り返って) 山頂の岩峰(乳首)


山頂からの眺望を楽しんだら今度は牛の背と馬の背を北進する。 鉄山の西側をトラバース気味に進み、なだらかなガレ場を下ると鉄山避難小屋。 鉄山山頂は少しトラバースしてから南へ戻るようになる。鉄山山頂からの眺望も雄大なのでお勧め。 鉄山避難小屋からは箕輪山方面へ向かう。10分ほどで笹平の僧悟台分岐に着く。 ここから東へ進んで僧悟台と見晴らし台、馬返しを経由して塩沢登山口に戻ることにする。 7月下旬、ハクサンシャクナゲとイワカガミは名残咲き状態。笹平分岐から10分ほどで水場に到着。 東鴉川の源頭である。

[ 参考 ] ここの分岐点には僧悟台コースを通行する登山者への注意看板がある。 二本松市としてはこのルートの整備は行わないので注意してほしいとの内容である。 現在は「あだたら山の会」の方々が定期的に下草刈りを行っているので、なんとかルートが維持されている状態。

牛の背を北進 鉄山避難小屋 笹平を目指す
牛の背を北進 鉄山避難小屋 笹平を目指す
笹平(僧悟台分岐) 看板 シャクナゲの目立つ登山道
笹平(僧悟台分岐) 看板 シャクナゲの目立つ登山道
シャクナゲの名残咲き イワカガミは名残咲き 水場(東鴉川源頭部)
シャクナゲの名残咲き イワカガミは名残咲き 水場(東鴉川源頭部)


笹平分岐から45分ほどで、僧悟台の霧降滝分岐。 霧降滝方面は一般登山道としては廃道なのでロープで閉鎖されている。 霧降滝分岐からなだらかな下りを15分ほど進むと見晴らし岩。ここからは徐々にに斜度が急になり九十九折りの登山道に変わる。 湯川が近くなり沢の支流と交錯し草履沼を過ぎると間もなく湯川に架かる橋を渡る。 橋を渡って2〜3分で往路の登山道(馬返し分岐、里程標3/30地点)に出合う。笹平分岐からは1時間30分ほどである。

僧悟台(霧降滝分岐) 指道標 霧降滝方面はロープで閉鎖
僧悟台(霧降滝分岐) 指道標 霧降滝方面はロープで閉鎖
見晴らし岩、指道標 草履沼 橋を渡る
見晴らし岩、指道標 草履沼 橋を渡る

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表登山口 ( 登山口標高:約600m、所要時間:山頂まで3時間40分 )
 登山口(1時間30分)水場(30分)仙女平(1時間)奥岳コース仙女平分岐(40分)安達太良山山頂

大玉村玉井地区の県道380号線(「岳温泉・大玉」線)沿いに表登山口がある。県道を挟んで乗用車5台くらいの駐車スペースがある。 指道標には安達太良山頂まで7.1kmと書かれている。登山口からの取り付きは少し急斜面になっており滑りやすく、鎖も設置されている。 登山口から30分ほど登るとあだたら林道と交錯する。赤松の目立つ幅広い登山道であるが次第にガレてくる。 途中、赤松で作ったベンチが設置されていたので、小休止。 8月上旬、ヤマジノホトトギスやタマガワホトトギス、ヤマユリが見頃。

[ 参考 ] 大玉村玉井地区には県民の森「フォレストパークあだたら」やアットホームおおたま、安達太良温泉、遠藤ヶ滝があるので時間があれば立ち寄りたい。

表登山口(遠景) 表登山口 取り付きには鎖
表登山口(遠景) 表登山口 取り付きには鎖
あだたら林道と交錯 指道標 赤松林
あだたら林道と交錯 指道標 赤松林
ガレた登山道 休憩ベンチ ヤマジノホトトギス
ガレた登山道 休憩ベンチ ヤマジノホトトギス


表登山口から1時間30分ほど登ると沢を横切る。水場にもなっており、冷たくて美味しい。 登山道を挟んでテン場のような小広いスペースが見られる。 登っていくとミズナラの目立つ登山道は次第に落葉松が目立つようになる。途中、湿地の近くを通る。 五葉松が目立つようになると仙女平の大きな標柱が立っている。 左手は開けており和尚山と前ヶ岳を望める。8月上旬、ツリガネニンジンが見頃。

沢を横切る 水場 落葉松林
沢を横切る 水場 落葉松林
仙女平の標柱 和尚山と前ヶ岳 ツリガネニンジン
仙女平の標柱 和尚山と前ヶ岳 ツリガネニンジン


仙女平の標柱の所からペンキ印を参考にガレ場を15分ほど登ると少し広く見晴らしの良いガレ場に出る。 360度の眺望を楽しめるのでここで小休止。 北西方向には目指す本峰の山頂(乳首)、北東方向にはゴンドラの山頂駅の建物も見える。

ペンキ印を参考にガレ場を登る クロヅル ミヤマニガイチゴ
ペンキ印を参考にガレ場を登る クロヅル ミヤマニガイチゴ
小前ヶ岳、前ヶ岳(南) 和尚山(南西) 安達太良山本峰(北西)
小前ヶ岳、前ヶ岳(南) 和尚山(南西) 安達太良山本峰(北西)


ガレ場から少し登った所ではツバメオモトの紺色の実を散見。 落葉松の目立つ登山道を1388mピークの東側を巻くように登っていく。枯れ沢と交錯しダケカンバ林を抜け短い急登が終わると進路は西に変わる。 奥岳コースが近付くと南側の眺望がよくなり、登山者の賑やかな声も聞こえ始める。 登山道沿いに石楠花も目立つようになると間もなく奥岳コース(仙女平分岐)に合流する。

ツバメオモトの紺色の実 枯れ沢と交錯 ダケカンバ林
ツバメオモトの紺色の実 枯れ沢と交錯 ダケカンバ林
薬師岳、二本松市(東) 1388mピーク(南東) 前ヶ岳、和尚山、郡山市(南)
薬師岳、二本松市(東) 1388mピーク(南東) 前ヶ岳、和尚山、郡山市(南)
石楠花の目立つ登山道 奥岳コース出合い 仙女平分岐の指道標
石楠花の目立つ登山道 奥岳コース出合い 仙女平分岐の指道標

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沼尻登山口 ( 登山口標高:約1130m、所要時間:山頂まで3時間 )
 登山口(25分)胎内岩コース分岐(1時間20分)1641mピーク(40分)船明神山(30分)安達太良山山頂

沼尻スキー場内の作業道の終点は大きな駐車場となっている。ここが沼尻登山口。 作業道は砂利道で勾配のきつい所もある。一般の乗用車でも問題ないが、四駆車の方が楽だろう。 手前と奥の二箇所に登山口があるが、利用が多いのは手前の登山口。 今回は手前の登山口から上り、奥の登山口に下る周回コースとする。 手前の登山口から3分ほどで白糸の滝展望台。少々滝までの距離があるが全体を眺めることが出来る。

沼尻スキー場内の作業道 作業道終点の駐車場 登山口(手前と奥の二箇所)
沼尻スキー場内の作業道 作業道終点の駐車場 登山口(手前と奥の二箇所)
手前の登山口 白糸の滝展望台 白糸の滝
手前の登山口 白糸の滝展望台 白糸の滝


展望台から20分ほどで胎内岩コースへの分岐。沼尻温泉の湯元になっている硫黄川源流部へ下り、ガレ場を登り返すと胎内岩へ至る。 今回は見送り、尾根(船明神コース)を進む。振り返ると飯豊連峰や吾妻連峰を遠望できる。 7月上旬、ハクサンシャクナゲやマルバシモツケが見ごろ。

胎内岩コースへの分岐 硫黄川源流部の湯元 飯豊連峰や吾妻連峰を望む)
胎内岩コースへの分岐 硫黄川源流部の湯元 飯豊連峰や吾妻連峰を望む
ハクサンシャクナゲ マルバシモツケ ツマトリソウ
ハクサンシャクナゲ マルバシモツケ ツマトリソウ


やがて灌木帯を抜け頭上が開けてくると荒涼とした沼ノ平が視界に入ってくる。 切り立った断崖が続く障子ヶ岩の上を登ってきたことになる。硫黄川源流部を眼下に見下ろすと標高差を体感する。 胎内岩コースへの分岐を左に見送ってから1時間20分。1641mピークに到着。 道端には下草に埋もれ気味に三等三角点の標石がある。7月上旬、イソツツジが見ごろ。

三等三角点(1641.2m) 飯豊連峰を遠望 イソツツジ
三等三角点(1641.2m) 飯豊連峰を遠望 イソツツジ
障子ヶ岩、吾妻連峰 鉄山避難小屋 鉄山、沼ノ平
障子ヶ岩、吾妻連峰 鉄山避難小屋 鉄山、沼ノ平


1641mピーク付近からは南東方向にはこれから目指す船明神山が見えてくる。その右手の和尚山は黒々としたなだらかな姿である。 船明神山の岩峰群の手前には乳白色の水を湛えた池がある。船明神池(通称)である。 ここから船明神山の山頂へは岩峰群の南を巻くように道が続く。 霧などで視界が悪い時には道を見失い易い所なので気を付けたい。 1641mピークから40分ほどで船明神山の山頂。砕けた古い祠に囲まれるように新しい祠が佇む。 切り立った鋭鋒の緊張感の中、360度の大パノラマを堪能できる。

本山、船明神山、和尚山 船明神池(通称) 岩峰帯の南を巻く
本山、船明神山、和尚山 船明神池(通称) 岩峰帯の南を巻く
船明神山の山頂 沼ノ平 飯豊連峰と吾妻連峰を望む
船明神山の山頂 沼ノ平 飯豊連峰と吾妻連峰を望む


船明神山で小休止したら牛ノ背を経由して本山を目指す。石筵登山口からのコースを右に見送り赤茶けた火星の表面のようなガレ場を進むと牛ノ背。 牛ノ背を南進し本山の岩峰が近付くと灰色のザレ場に変わる。船明神山から30分で安達太良山の山頂。眺望絶佳で空を近くに感じる。 相変わらず風が強いので帽子など飛ばされないように注意したい。

石筵分岐から船明神山と磐梯山 牛ノ背を目指す 牛ノ背の稜線
石筵分岐から船明神山と磐梯山 牛ノ背を目指す 牛ノ背の稜線
本山を目指す 本山山頂の岩場 柱標
本山を目指す 本山山頂の岩場 柱標
山頂の祠 和尚山 鉄山方面
山頂の祠 和尚山 鉄山方面


本山の山頂は相変わらず人が多いので長居には向かない。 昼食を取るために鉄山を目指す。牛ノ背と馬ノ背を経由して50分ほどで鉄山山頂。 途中、馬ノ背では眼下にくろがね小屋を遠望できる。火山性ガスにより馬ノ背〜小屋の直登ルートは廃道となっている。 7月上旬、鉄山直下の岩場ではオノエランが見ごろ。鉄山山頂の西側には月世界に例えられる沼ノ平が広がる。

牛ノ背の稜線(峰ノ辻分岐) 馬ノ背の稜線と鉄山 馬ノ背からくろがね小屋を遠望
牛ノ背の稜線(峰ノ辻分岐) 馬ノ背の稜線と鉄山 馬ノ背からくろがね小屋を遠望
ガレ場を登る オノエラン 鉄山山頂
ガレ場を登る オノエラン 鉄山山頂
南(本山、馬ノ背) 西(沼ノ平) 北(吾妻連峰、避難小屋)
南(本山、馬ノ背) 西(沼ノ平) 北(吾妻連峰、避難小屋)


鉄山山頂で昼食をとって大休憩をしたら今度は鉄山避難小屋を目指す。5分ほどガレ場を下ると到着。 新しく気密性が高く快適な屋内である。避難小屋から真北には箕輪山方面への登山道が延びる。 今回は沼尻登山口へ下山する為、西側に延びるコースを下っていく。 10分ほどで飛行機のプロペラが飾られた石楠花の塔。塔の近くには図根点の標石がある。 石楠花の塔は昭和30年代に現場近くで墜落した自衛隊機の搭乗員の慰霊碑である。 7月上旬、コケモモの花が見ごろ。

鉄山避難小屋を遠望 鉄山避難小屋 避難小屋内部
鉄山避難小屋を遠望 鉄山避難小屋 避難小屋内部
箕輪山 石楠花の塔 コケモモ
箕輪山 石楠花の塔 コケモモ


石楠花の塔から胎内岩を目指す。ペンキの矢印を参考に岩峰帯の中程で岩場を下っていくと胎内くぐりとなっている。 崩落しないことを祈りながら足早に這って出る。ここから硫黄川へ下るが、白っぽいザレ場になっており太陽の照り返しがまぶしい。 一帯は崩落危険個所なので、落石に気をつけながら踏み跡を見失わないように足早に進む。

胎内岩を目指す ペンキ矢印を参考に岩場を下る 胎内くぐり
胎内岩を目指す ペンキ矢印を参考に岩場を下る 胎内くぐり
胎内くぐり(振り返って) ザレ場を硫黄川へ下る 胎内岩の岩峰群を仰ぐ
胎内くぐり(振り返って) ザレ場を硫黄川へ下る 胎内岩の岩峰群を仰ぐ


硫黄川源流部に降り立つと、沼ノ平コース(廃道)分岐。 ここから湯気が立ちのぼる硫黄川の湯元(湯の華採取場所)へ下る。 朽ち果てた廃屋は鉱山や温泉場として賑わった頃のものだろうか。 沼尻観光(株)の従業員休憩所は緊急時には避難利用が許されていると聞く。 ここから道は二手に分かれる。 障子ヶ岩コースへの分岐は従業員休憩所から硫黄川に架かる木道を渡ってガレ場を上っていく。 指道標が判りにくいので注意。今回は送湯管沿いの登山道(作業道)を下ることとする。

沼ノ平コース(廃道)分岐 硫黄川の湯元へ 従業員休憩所
沼ノ平コース(廃道)分岐 硫黄川の湯元へ 従業員休憩所
湯の華採取所 障子ヶ岩コース取り付き点 送湯管沿いの登山道(作業道)
湯の華採取所 障子ヶ岩コース取り付き点 送湯管沿いの登山道(作業道)


作業道は崩落の為にしばらく通行禁止になっていた。 現在でも崩落箇所は仮復旧の状態なのでマナーを守って慎重に通過したい。 湯の華採取所から30分で索道施設(小屋)の先に沼尻登山口が見えてくる。 途中、白糸の滝の眺めがいい。

白糸の滝(振り返って) 崩落箇所 索道施設(小屋)
白糸の滝(振り返って) 崩落箇所 索道施設(小屋)
沼尻登山口 沼尻登山口(振り返って) 登山口にある注意看板
沼尻登山口 沼尻登山口(振り返って) 登山口にある注意看板

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