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国道352号線の滝原地区にて八総鉱山跡へ分け入る。
八総鉱山跡入口には大きな案内図が設置されている。滝ノ原橋を渡って荒海川沿いに車道を進んで行く。
途中、「南会津町あらかい健康キャンプ村」を左に見送り直進する。
国道から4.5kmほど入ると八総鉱山跡。ここに若干の駐車スペースがある。
鉱山で出たズリ山が往時を偲ぶ。
[ 参考 ] ■八総鉱山の歴史は江戸時代までさかのぼるが、本格操業は住友金属鉱山が鉱業権を取得した昭和20年代から。
銅、亜鉛、鉛、硫化鉄を産出し、旧田島町側は主に選鉱場として利用された。
最盛期の昭和30年代には鉱山人口も二千名を超え、田島町立八総鉱山小学校が設置されるほどに栄えた。
閉山した現在も鉱害防止のため管理会社による管理が続くが、産業遺産としての価値が見直されている。
■南会津町あらかい健康キャンプ村は環境アレルギーに苦しむ方々の療養を目的とした施設。
八総鉱山が全盛の昭和30年代に建てられた田島町立八総鉱山小学校の跡地を活用したもの。
以前は会津高原オートキャンプ場(その前は神奈川県の野外施設)があった。
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八総鉱山跡は林道「滝原線」の起点となっている。林道起点からゆっくりと15分(1.5kmほど)歩くと林道終点。
転回場を兼ねた車2台ほどのスペースがある。ここが荒海山登山口。オフロード車だと登山口まで可能だが、道路状況によっては無理は禁物。
登山者ポストも設置されている。コンクリートの護岸を渡渉し、荒海川の左岸から右岸に渡る。
10分ほど右岸を歩くと荒海川の渡渉地点。今度は右岸から左岸に渡る。特に橋などはないので靴に水が入らないように注意したい。
5分ほど枝沢の左岸を登っていくと小さな治山ダム。道はそのままダムを越えて沢沿いに続く。水の流れは伏流となりガレた沢を登っていく。
サワグルミの高木やトチノキが目立つ。
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荒海川の渡渉地点から10分ほど登るとロープを頼りに一度沢を離れ高度を上げていくが、
トラバース気味に15分ほど登るとまた沢と合流する。ロープを頼りにスラブ状の沢の源頭部を詰めていくと笹が目立つようになり尾根に出る。
ブナやアスナロの大木を散見する快適な尾根道を1時間30分ほど登ると大岩。道は大岩の右側を巻くように続く。大岩の所にはテーブルにちょうどいい岩があるので小休止。
根張りの目立つロープ頼りの急登や露岩帯を抜けると頭上が開ける。大岩から25分ほどで南稜小屋(旧・雨量観測小屋)。
狭く老朽化しているが緊急時には避難小屋として使える。
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南稜小屋からは1分で山頂。眺望も大変よく、北側に会津の名峰、南側は栃木県の名峰を指呼できる。
“大河の一滴 ここより生る (阿賀野川水源之標)”と刻字された石碑が建っている。
荒海山は双耳峰となっており大きな看板のある山頂は西峰(標高1581m)。
三角点(標高1580.5m)は東峰にあるので立ち寄ってみることにする。
藪だが踏み跡はしっかりしており、10分弱で東峰。小狭いが刈りはらわれており二等三角点の標石を確認できる。
少々灌木が邪魔するが十分展望を楽しめる。帰りは往路を着実に戻る。
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