福島の山々 >> 南東部 >> 権太倉山 (976.2m)  
羽鳥湖の東、白河市(旧:大信村)と天栄村の境界に位置する。白河市
の最高峰でうつくしま百名山に選定されている。山名はその昔この山に
いた「権太黒」という馬の名前に由来するという。平安の昔、この山で
休憩をとった八幡太郎義家の鞍が石になったことから権太鞍山になった
とも、義経の愛馬「太夫黒」の名前はこの山の名前と関連があるとも伝
えられる。東北地方における義家・義経伝説のひとつとして興味深い。
山頂の展望は南西から北西側がよく、那須連峰や甲子連山、羽鳥湖、磐
梯山などを望むことができる。南麓にはふくしま緑の百景に選ばれた聖
ヶ岩とふくしまの水30選うつくしまふくしま水百選に選ばれた隈戸
川があり、「聖ヶ岩ふるさとの森」として管理棟、バンガローやキャン
プ場などが整備され、遊歩道は権太倉山登山コースとともにふくしまの
遊歩道50選にも選定されている。

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権太倉山
うつくしま百名山 ふくしま遊歩道50選

    交通:JR東北本線「矢吹」駅または「白河」駅より、タクシー利用
マイカー:聖ヶ岩ふるさとの森の駐車場を拝借できる
所要時間:聖ヶ岩登山口(60分)馬ノ背分岐(40分)山頂(70分)北ノ入橋登山口(15分)聖ヶ岩ふるさとの森
他登山口:田之沢林道登山口
  山開き:毎年4月29日
     ※問い合わせ:白河市大信庁舎事業課産業係(0248-46-3973)
     ※福島県内の山開き日程の一覧

聖ヶ岩登山口(風穴コース) ( 標高:520m、所要時間:山頂まで100分 )

国道118号線、分水嶺となっている鳳坂峠(標高 810m)。 羽鳥湖展望台から望む「羽鳥湖畔の緑」はふくしま緑の百景に選定された景勝。 ここからヘアピンカーブを下った所が県道58号「矢吹天栄」線への分岐。「矢吹天栄」線は狭いがきれいに舗装されている。 4kmほど走ると隈戸川源流部に架かる北ノ入橋。 ここからも登山コース(隈戸川源流コース)があるが、今回は「聖ヶ岩ふるさとの森」から風穴コースを上り、 ここのコースは下りで利用することにする。

鳳坂峠 (ほうさかとうげ) 羽鳥湖展望台 羽鳥湖畔の緑
鳳坂峠 (ほうさかとうげ) 羽鳥湖展望台 羽鳥湖畔の緑
県道58号矢吹天栄線分岐 県道58号矢吹天栄線 北ノ入橋登山口
県道58号矢吹天栄線分岐 県道58号矢吹天栄線 北ノ入橋登山口


北ノ入橋から1km足らずで右手に聖ヶ岩ふるさとの森が見えてくる。 駐車場に車を止めさせてもらう。頭上には迫力のある聖ヶ岩が迫り圧巻である。 ロッククライミングのゲレンデにもなっているようである。 管理棟のすぐ近くを隈戸川の清流が流れている。時間があれば散策してみるのもいいだろう。 管理棟の近くには権太倉山の登山案内図もあるのでよく確認しておこう。 聖ヶ岩登山口は聖ヶ岩ふるさとの森の出入口を出て右方向へ50m程行った所にある。

[ 参考 ] 10月下旬〜11月上旬の紅葉時期もお勧め。 なお、「聖ヶ岩ふるさとの森」の開設期間は4月下旬頃〜11月末頃までである。 利用前に確認のこと。電話:0248-46-2471(グリーンスポーツハウス)

ふるさとの森管理棟と聖ヶ岩 隈戸川の清流 案内図
ふるさとの森管理棟と聖ヶ岩 隈戸川の清流 案内図
登山コース案内図 聖ヶ岩登山口 登山道
登山コース案内図 聖ヶ岩登山口 登山道


登山口から勾配の緩やかな道を登っていくと20分ほどで風穴。手や顔をかざすと冷風が出ていて気持ちいい。 ここからは大間ヶ嶽(ザル山)の東を巻くように進む。大間ヶ嶽への薄い踏み跡も見られるので直登する方もいるのだろう。 しばらくするとゴツゴツした露岩帯を通過する。 9月上旬、フジグロセンノウや福島県が北限となるレンゲショウマが名残り咲き。見頃は8月中旬〜下旬頃だろう。 すぐにトラロープの急登に変わり150mほど登ってゆくと大間ヶ嶽と権太倉山の鞍部に着き、 北ノ入橋からの隈戸川源流コースと出合う。

風穴 大間ヶ嶽の東を巻く 露岩帯
風穴 大間ヶ嶽の東を巻く 露岩帯
フシグロセンノウ レンゲショウマ 隈戸川源流コースとの出合い
フシグロセンノウ レンゲショウマ 隈戸川源流コースとの出合い


尾根上の登山道沿いの樹木にはヤマモミジ、ウリハダカエデ、クマシデなどの樹木名が書かれた木札が時折付いている。 樹木を観察しながらゆっくり登る。鞍部から40分ほどで山頂である。 山頂には柱標と二等三角点の他に、厚みのある板で作った立派な山名の看板が置かれていた。

ヤマモミジ ウリハダカエデ クマシデ
ヤマモミジ ウリハダカエデ クマシデ
山頂 二等三角点 看板
山頂 二等三角点 看板


展望は西側が開けていい。 南西方向には那須連峰や甲子連山など、西には羽鳥湖の奥に戸倉山や小野岳、大戸岳など、 北西には風力発電の風車が多数見られる会津布引山、北には鬼面山の奥に磐梯山などの眺望を楽しめた。

南西 (那須連峰) 西南西 (旭岳、大白森山) 西 (二岐山)
南西 (那須連峰) 西南西 (旭岳、大白森山) 西 (二岐山)
西 (小野岳、大戸岳) 北西 (会津布引山) 北 (鬼面山、磐梯山)
西 (小野岳、大戸岳) 北西 (会津布引山) 北 (鬼面山、磐梯山)


下りは鞍部まで戻り、そこから隈戸川源流コースへ進む。登山道を下ってゆくとやがて小沢を渡るが、滑た感じがいい。 近くには湿り気を好むウワバミソウが多く見られる。少々薄暗いが指道標がある踏み跡のしっかりした道なので安心して歩ける。 登山道は次第に隈戸川源流に近づいてゆく。

分岐点まで戻る 登山道 小沢を渡る
分岐点まで戻る 登山道 小沢を渡る
滑状の小沢 指道標 隈戸川源流沿いの登山道
滑状の小沢 指道標 隈戸川源流沿いの登山道


滑状の隈戸川は沢登でも人気がある。上流には滝もあるようなので、夏場などお勧めである。 美しい滑床に誘われて川へ下りて上流方向を撮影してみる。水量が少なく普通の登山靴でも大丈夫そうなのでしばらく滑床を歩きまた登山道に戻る。 やがて北ノ入橋登山口が近づくと登山道は川と出合うので登山靴を濡らさないように左岸をへつるようにして進む。 登山口から上流方向の風景も中々いい。ここから15分ほど車道を歩けば聖ヶ岩ふるさとの森へ戻る。

美しい滑床の隈戸川 川に入って上流方向 川と出合う登山道
美しい滑床の隈戸川 川に入って上流方向 川と出合う登山道
左岸をへつるように歩く 北ノ入橋登山口 登山口から上流方向の様子
左岸をへつるように歩く 北ノ入橋登山口 登山口から上流方向の様子


田之沢林道登山口 ( 標高:720m、所要時間:山頂まで50分 )

「聖ヶ岩ふるさとの森」を出て県道58号「矢吹天栄」線を東へ1kmほど行くと田之沢林道への分岐がある。 林道は荒れた箇所もなく、乗用車でも林道終点まで問題ない。 林道終点が登山口。乗用車なら7〜8台程度は駐車できそうである。 山名の由緒書きや遊歩道案内図が設置されている。 整備された遊歩道を5分ほど登った所に展望台がある。 木々が視界をさえぎり展望はあまりないので、小休止の東屋として利用したい。 檜林を抜けると損壊した旧道をショートカットするように新たに整備された九十九折りの長い階段箇所。 階段を登り終えると一投足で尾根に出る。 快適な尾根道を4〜5分登ると900mピーク。田之沢林道終点の登山口からだと35〜40分ほど。 「つかの間の喜び」と名付けられている。 山頂と思って着いてみると北西に本当の山頂が見えることから付いた名前だろうか。 「つかの間の喜び」から10〜15分ほどで本当の山頂。

[ 参考 ] 時間と体力に余裕があれば「聖ヶ岩ふるさとの森」から歩くのもお勧め。 その場合は、車道歩き10分、林道歩き50分のプラス1時間ほど必要となる。 風穴コースや隈戸川源流コースと組み合わせて周回コースにする場合の上りや下りにも利用したい。

田之沢林道起点 権太倉山登山道入口の看板 路面状態の比較的良い林道
田之沢林道起点 権太倉山登山道入口の看板 路面状態の比較的良い林道
登山口(林道終点) 権太倉山の由緒書 ごんたくらやま遊歩道案内図
登山口(林道終点) 権太倉山の由緒書 ごんたくらやま遊歩道案内図
木道 展望台 展望案内図
木道 展望台 展望案内図



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