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マイカーやオートバイ、観光バスで賑わいを見せる浄土平から一切経山を経て先ずは家形山を目指す。
詳細は一切経山や家形山のページを参照のこと。
眺望のいい一切経山の山頂からは家形山から東大巓へ至る県境縦走の山々を指呼できる。
寄棟の形をした家形山、なだらかなニセ烏帽子山、烏帽子の形をした烏帽子山、三角形の昭元山、その奥のなだらかな東大巓。
各々山容が特徴的である。8月上旬、クロマメノキはまだ実が青いがミネザクラは食べごろ。
一切経山から50分ほどで家形山の山頂。家形山から見る一切経山は緑に覆われ荒涼とした浄土平側と対照的。瑠璃色の五色沼が美しい。
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家形山から西へ延びる登山道を進む。所々ぬかるんでいるので防水性の高い靴がお勧め。
オオシラビソの元気いっぱいの大きな紺色の球果が目立つ。
家形山山頂から5分ほど歩くと五色温泉分岐の指道標。さらに15分ほど歩とく三叉路(滑川温泉分岐)。
左へ進み、東大巓まで山形県との県境の尾根を歩く。
堀田林道コースを右に見送ると間もなくこんもりとした岩峰の兵子が右前方に見えてくる。
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兵子頂上までは縦走路から5分ほどなので寄り道していく。頂上の岩峰群からの眺めもいいので小休止。
ここから北に延びる道は大日岳を経由して姥湯に至る「兵子新道白岩コース」。
平成六年に復旧されたが、三階滝は経由しないルートになっているようだ。
兵子から25分ほどでニセ烏帽子山。展望はあまりなく樹間より一切経山が遠望できる程度で、縦走通過点という印象。
ニセ烏帽子山から登り返すと烏帽子山。烏帽子山の最高地点付近は灌木に覆われ展望はないが、少し西側へ下った岩場は頭上が開け展望が広がる。
山頂の柱標もこちらに設置されている。目指す東大巓もだいぶ近くなってきた。
ここから鏡沼がひっそりと佇む鞍部へ降りて登り返せば昭元山。
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展望を十分楽しんだら烏帽子山から岩場を慎重に下る。鞍部の登山道はぬかるんでいる。
靴を濡らさぬように飛び石のように石が置かれているが、浮石で不用意に転ばないように注意したい。
烏帽子山から40分で昭元山山頂。木立に囲まれた狭い山頂だが立派な三等三角点がある。
昭元山からの下りはガレて歩きにくい。谷地平分岐手前の鞍部は湿地帯になっている。
こちらも飛び石のように石が置かれており日本庭園のような雰囲気が楽しめる。
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谷地平への道を左へ見送ると東大巓への最後の登りとなる。木道が整備されており歩きやすい。
後ろを振り返れば昭元山の先に烏帽子山、一切経山、東吾妻山などの眺望を楽しめる。
ホシガラスが随分見られた。美味しそうにオオシラビソやヒメコマツの球果を食べていた。
浄土平を出て6時間15分で東大巓分岐。東大巓山頂は縦走路から少し外れるが分岐の柱標から1分ほど。笹に埋もれるように三角点の標石がある。
狭い山頂は樹間より一切経山を望める程度で展望はあまりないが、仙境の雰囲気がなんともいえない。
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東大巓で小休止後は明月荘(弥兵衛平小屋)を目指す。眼前には広大な弥兵衛平湿原が広がり開放感が気持良い。
明月荘が遠くに白く小さく見える。
木道も整備され歩きやすいが、濡れた個所は滑りやすいので、転倒による骨折などに気をつけたい。
東大巓山頂から25分ほど歩くと三叉路。すぐ右奥に明月湖があり湖畔には明月荘が建っている。
二階建ての大きく立派な山小屋で、かつては管理人が常駐していたと聞くが今は無人である。
玄関を入ると正面にトイレ、左手のドアを入ると居室。内部は築年数の割にはきれいである。
ここにリュックを置き、先ずは近くの水場で水を確保する。三叉路から滑川温泉方面に10分ほど歩いたところに金明水と呼ばれる水場がある。
水量も豊富で冷たく美味しい。時間があればここでビールなどの飲み物を冷やすのもいいだろう。
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二日目は6時に起床。時間に余裕があるので弥兵衛平湿原を散策する。
三叉路から立岩方面へ木道を進む。池塘が散在する広い高層湿原で尾瀬を彷彿させる。
時間と体力に余裕があればぜひとも散策していただきたい。
20分ほど歩くと明星湖。8月上旬、コバノトンボソウやキンコウカ花、チングルマの果穂が見ごろ。
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弥兵衛平湿原の散策を楽しんだら明月荘を後にして浄土平を目指す。谷地平分岐までは昨日のコースを戻る。
東大巓直下では一切経山方面や中吾妻山方面の眺望を堪能しながら木道を下る。
谷地平分岐まで戻ったら、南側にコースを変える。木道は間もなく無くなり、ガレた沢沿いのコースを下る。
何度か沢や湿地帯と交錯するので防水性の高い靴がお勧め。
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1700m〜1750m付近では飲み水に適した水を随所で得られる。何度か沢と交錯すると沢沿いのコースから樹林帯のコースに変わる。
東大巓直下の谷地平分岐から2時間15分ほどで大倉深沢を渡ると谷地平。
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谷地平湿原は木道が整備されている。30分ほどゆっくり木道を歩くと湿原が終わり駕篭山稲荷分岐。
ここで進路を東に90度変える。笹原の中を15分ほど歩き姥沢を渡渉すると谷地平避難小屋に到着。
三角屋根の新しく綺麗でかわいい避難小屋である。
姥沢は綺麗なナメが見られる。沢登りで訪れる人もいるだろう。
姥沢を飛び石伝いに渡渉する時に靴を濡らしてはこの先少し気分が滅入る。十分注意したい。
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谷地平避難小屋を過ぎ姥沢の左岸沿いのコースを50mほど歩くと姥沢を対岸に渡り返す。
8月上旬、マルバダケブキが見ごろ。クロベの大木が目立つ樹林帯の登山道を登り着実に高度を稼ぐ。
谷地平避難小屋から1時間45分ほどで姥ヶ原。頭上が開け、姥の石像が出迎えてくれる。
鎌沼までは20分。さらに40分ほどで浄土平にもどってくる。
酸ヶ平湿原を過ぎて浄土平に下る木段ではウソのつがいがクロウズコの実を美味しそうに食べていた。
8月上旬だというのに吾妻連峰は夏の終わりを予感させる涼しさである。
やがて厳しい寒さが支配する吾妻連峰、子育てをしたり南の温かい地方へ移動する為のエネルギーを今から蓄えているのだろうか。
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