福島の山々 >> 北東部 >> 鹿狼山 (429.3m)  
福島県と宮城県の県境に位置し、阿武隈山地の北端に近い。標高が低い
割には山頂からの眺めが見事で、四季を通じて楽しめる眺望の山。晴れ
た日は太平洋の大海原が目の前に広がりとても気持ちがいい。山域一帯
にみられる原生林は昭和60年にふくしま緑の百景に選定されている。
山名の由来ともなった鹿と狼を連れた神様の伝説が残り、古くから地元
の人々に親しまれている。元旦夜明け前の登山(元朝登山)では大海原
から昇る初日の出を見る人々で賑わう。6月下旬から7月上旬頃にかけ
て「せせらぎの道」周辺に咲くアジサイもきれい。

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鹿狼山
うつくしま百名山

    交通:JR常磐線「新地」駅より、タクシー利用
          ※「新地」駅は東日本大震災による津波で損壊、平成29年春の再開通を予定
マイカー:鹿狼山駐車場を利用
所要時間:鹿狼山駐車場(40分)山頂(30分)鹿狼山駐車場
他登山口:ケヤキの森コース蔵王眺望コース真弓清水コース宮城県丸森町側登山口
 山開き:毎年1月1日(元朝登山として)
     ※問い合わせは、新地町役場 企画振興課 (0244-62-2112)
     ※福島県内の山開き日程の一覧

鹿狼山駐車場(眺望の道、樹海の道)
 ( 登山口標高:約130m、所要時間:山頂まで40分 )

登山口には30台ぐらいのマイカーが駐車できる駐車場とトイレ(水洗)、多目的休憩所、コースマップ等がある。 登山口脇にあった「鹿狼の湯」(鉱泉)は300mほど西側へ移転した。 多目的休憩所の裏側には古い案内図がまだ残っており、以前訪れた時のことを思い出し懐かしく眺めた。 多目的休憩所脇の鳥居からスタートとする。9月下旬、ミヤギノハギが見頃だった。

登山口 鹿狼山駐車場とトイレ 鹿狼山コースマップ
登山口 鹿狼山駐車場とトイレ 鹿狼山コースマップ
古い案内図 鳥居 ミヤギノハギ(9月下旬)
古い案内図 鳥居 ミヤギノハギ(9月下旬)


鳥居をくぐり「せせらぎの森」まで行くと、コースは大きく2つに分かれる。 右側が「眺望の道」と呼ばれる「眺望の森」を経由するコース。左側が「樹海の道」と 呼ばれる「樹海の森」を経由するコース。どちらも山頂まで40分。 「眺望の道」は階段が多く少し急だが、「樹海の道」は階段が少なく比較的なだらか。 どちらも登山道はとてもよく整備されている。 今回は「眺望の道」を上り、「樹海の道」を下ることとする。 里山の割にはナラ、クマシデ、カエデ、ケヤキ、クリ、イヌブナなどの広葉樹がまだ残っている。 樹名板があるので勉強になる。秋には紅葉が綺麗だろう。 疲れて休みたくなった所にはタイミングよくベンチやテーブルとイスが設置されている。

分岐(せせらぎの森) 指道標と記念碑 「眺望の道」へ
分岐(せせらぎの森) 指道標と記念碑 「眺望の道」へ
中間地点 テーブルとイス シバグリの樹名板
中間地点 テーブルとイス シバグリの樹名板


山頂には鹿狼神社があり、元旦の未明には初詣と初日の出を見る為に地元の人々で賑わう。 東側は太平洋の大海原が広がり、西側は蔵王連峰を遠望できる。テーブルとイス、休憩所も整備されている。 厳寒期は登山道が凍結している場合があるので注意したい。

山頂直下の登山道 山頂の杉林 鳥居、多目的休憩所
山頂直下の登山道 山頂の杉林 鳥居、多目的休憩所
山頂、鹿狼神社 三角点 鹿狼神社の解説板
山頂、鹿狼神社 三角点 鹿狼神社の解説板
テーブルとイス 東側の眺望(新地町、太平洋) 北西側の眺望(右奥が蔵王連峰)
テーブルとイス 東側(新地町、太平洋) 北西側(右奥が蔵王連峰)


山頂の眺望を楽しんだら「樹海の道」を下ることとする。 「眺望の道」より距離は少し長いが、階段が少ないので、階段の苦手な方にもお勧め。 こちらも樹名板と緊急通報ポイントが整備されている。 山頂から30分ほどでせせらぎの森。最初の分岐までもどってくる。

指道標 樹海の道を下る アオダモの樹名板
指道標 樹海の道を下る アオダモの樹名板
クヌギの樹名板 なだらかな登山道 東屋分岐
クヌギの樹名板 なだらかな登山道 東屋分岐
緊急通報ポイント「No.1」 池(せせらぎの森) 最初の分岐へ戻る
緊急通報ポイント「No.1」 池(せせらぎの森) 最初の分岐へ戻る

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ケヤキの森コース ( 登山口標高:約170m、所要時間:山頂まで45分 )

バンビリンゴ団地を南北に縦断する車道の十字路にあるマル森果樹園の看板が目印。 ここにケヤキの森コースの指道標も設置されている。ここの十字路を北進すると間もなく登山口。 マイカー3台ほどの駐車スペースがある。コースマップもあるのでよく確認して登り始める。 2014年11月20日に近くで熊が目撃されたようなので熊鈴を鳴らしながら登る。 初めは急な斜面を九十九折りに登っていく。9月下旬、ススキの穂が多い。 高度が上がると太平洋を遠望できるようになるが、次第にザレた道に変わる。 登山口から15分ほど登ると休憩ベンチがあるので、ここで小休止。 休憩ベンチから10分ほどで連絡コースの尾根道に出合う。 ここには階段状のウッドデッキ(休憩所)がある。太平洋の眺めもいいのでお弁当を広げるのもいいだろう。 ここから連絡コース1を20分ほど登れば山頂。

[ 参考 ] 新地町側の登山道は樹海の道と眺望の道の2つでしたが、 2007年(平成19年)にケヤキの森コース、蔵王眺望コース、真弓清水コースが新設されました。

バンビリンゴ団地 登山口 コースマップ
バンビリンゴ団地 登山口 コースマップ
熊の注意看板 九十九折りの登山道 太平洋を遠望
熊の注意看板 九十九折りの登山道 太平洋を遠望
休憩ベンチ 山頂を遠望 連絡コース出合い
休憩ベンチ 山頂を遠望 連絡コース出合い

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蔵王眺望コース ( 登山口標高:約240m、所要時間:山頂まで1時間10分 )

鹿狼山と五社壇の鞍部付近を新地町から丸森町へ越えていく峠道脇に登山口がある。 マイカー2〜3台ほどの駐車スペースとコースマップが設置されている。 山頂まで最も時間を要するコースだが 震災翌年の2012年から2015年にかけて選定された「みちのく潮風トレイル」のコースの一部となっており、 気持良い尾根道を楽しめるのでお勧め。 登山口から25分で、真弓清水コースを左から合わせる。連絡コース2と呼ばれる尾根道を進む。 さらに25分で今度はケヤキの森コースを左から合わせる。 ここにはウッドデッキのような階段状の休憩所があり、太平洋を遠望できる。 ここから連絡コース1と呼ばれる尾根道を20分ほど登れば山頂。

登山口(丸森町側からの遠景) 登山口 コースマップ
登山口(丸森町側からの遠景) 登山口 コースマップ
雑木林の明るい登山道 みちのく潮風トレイルの標柱 指道標
雑木林の明るい登山道 みちのく潮風トレイルの標柱 指道標
真弓清水コース出合い 指道標 ケヤキの森コース出合い
真弓清水コース出合い 指道標 ケヤキの森コース出合い

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真弓清水コース ( 登山口標高:約150m、所要時間:山頂まで1時間5分 )

蔵王眺望コースの登山口の手前、 鹿狼山と五社壇の鞍部付近を新地町から丸森町へ越えていく峠道脇にコース入口がある。 ここにはかなり広い駐車スペースがあるので利用したい。 指道標に従い、沢の方へ下る。悪路に強い四輪駆動車だと車道終点まで可能。 ここでは綺麗な沢の水で喉を潤せる。ここから杉林の暗い登山道を15分ほど登ると蔵王眺望コースと出合う。 連絡コース2(25分)、連絡コース1(20分)を経由して山頂。

[ 参考 ] 真弓清水コース入口から400mほど東側(茱萸の木橋近く)の車道沿いに真弓清水がある。右近清水、いっぱい清水とともに「新地三清水」の一つになっている。 地元自治会が建立した記念碑によると、昭和40年代〜60年代に上真弓地区の簡易水道水として利用されていた清水を平成17年に復元したのが現在の真弓清水。 水量も豊富で美味しいのでぜひ立ち寄っていただきたい名水。

真弓清水コース入口(遠景) 指道標 登山口(沢の方へ下る)
真弓清水コース入口(遠景) 指道標 登山口(沢の方へ下る)
車道終点 指道標 蔵王眺望コース出合い
車道終点 指道標 蔵王眺望コース出合い

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宮城県丸森町側登山口 ( 登山口標高:約95m、所要時間:山頂まで45分 )

宮城県丸森町側(西麓)にも登山口がある。 国道113号線を新地町から宮城県丸森町側へ西進し、鬼ヶ柵川に架かる堂前橋を渡ったところで北進する。 500mほど進み分岐を案内板に従い右へ入ると、さらに1kmほどで登山口。赤い鳥居が建っている。 杉林の中を登っていくと沢沿いの道になり、間もなく沢を渡る。ここで靴の中に水を入れないように気をつけたい。

堂前橋を渡ったところで北進 分岐を右へ 登山口の鳥居
堂前橋を渡ったところで北進 分岐を右へ 登山口の鳥居
杉林の中を登る 沢を渡る 指道標
杉林の中を登る 沢を渡る 指道標


沢を離れて10分ほど登ると林道と交錯し、さらに3分ほど登ると尾根道に変わる。 登山口の鳥居から35分ほどで連絡コース1に出合う。快適な尾根道の連絡コース1を2〜3分西進するとザレ場の急登。 フィックスロープを頼りにゆっくり慎重に登ると5〜6分で鹿狼神社の脇に出る。

林道と交錯 連絡コース1に出合う 指道標(振り返って)
林道と交錯 連絡コース1に出合う 指道標(振り返って)
尾根道(連絡コース1) ザレ場の急登 鹿狼神社の脇に出る
尾根道(連絡コース1) ザレ場の急登 鹿狼神社の脇に出る

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