福島の山々 >> 北東部 >> 川桁山 (1413.2m)  
磐梯山と安達太良連峰の間にある大滝山塊の一座としてどっしりと構え
る秀峰。観音寺川コースは途中までは爽快な沢沿いの登山を楽しめるが
天狗角力取山との鞍部(小田峠)直下からは急登が待っている。千石川
コースは全般的になだらかであるが三十八転び坂と呼ばれる急登と見事
なブナ林の尾根を経由する。山頂からは猪苗代湖、磐梯山、吾妻連峰、
安達太良連峰の眺めを楽しめる。フリースタイルスキーのワールドカッ
プなどが開催されるリステル猪苗代の裏山のような感がある。ハイシー
ズンでも近くの磐梯山とは対照的に静かな登山を楽しめる。ブナの新緑
と黄葉の時期、初冬の霧氷が綺麗な時期がお勧め。


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            ガイドブック
川桁山
うつくしま百名山 会津百名山

    交通:JR磐越西線「川桁」駅より徒歩30分
マイカー:観音寺林道沿いに所々駐車スペースあり
所要時間:観音寺川登山口(1時間50分)山頂
他登山口:北西側の長瀬地区内野集落の千石川登山口
     南西側のリステル猪苗代ゲレンデ(1192mピークを経由するコース)

観音寺川登山口 ( 所要時間:登山口から山頂まで1時間50分 )

JR磐越西線「川桁」駅利用の場合は、本数が少ないので時刻表をよく確認したい。 リゾートホテル「リステル猪苗代」の南側、観音寺の建っている所が観音寺林道の起点。 カラ松林の中を途中、小白津林道を左に見て終点まで入る。林道は通常はマイカーでも終点まで入れるが、 大雨などの影響を受けやすく荒れている時もあるので、 オフロード車でないと終点までは困難な場合もある。林道終点には乗用車3〜4台程度の駐車スペースがある。

JR磐越西線「川桁」駅 川桁山とリステル猪苗代 観音寺
JR磐越西線「川桁」駅 川桁山とリステル猪苗代 観音寺
カラ松林 観音寺川沿いの観音寺林道 登山口
カラ松林 観音寺川沿いの観音寺林道 観音寺川登山口


初めは観音寺川沿いの沢音を聞きながらの爽快な登山となるが、沢をつめた辺りから急な登りに変わる。 古びた太い鋼製ワイヤーが所々残るが、昔この付近にあった石英採掘鉱山の名残りだという。 やがて天狗角力取山との鞍部(小田峠)に着くのでここで小休止。南側の展望がいい。 天狗角力取山へはここから東の尾根にとりつき藪をこぐ。ここから川桁山山頂までは急登の連続で着実に高度を稼ぐ。 山頂直下の岩の多い登山道ではイワナシやアカモノが多く自生している。花の季節に登れば楽しめるだろう。 途中、北側〜南側の展望を楽しめる。ここから眺める天狗角力取山と天狗のハゲも中々いい。

ガレた登山道 急登に変わる 天狗角力取山との鞍部
ガレた登山道 急登に変わる 天狗角力取山との鞍部
山頂直下の登山道 イワナシ アカモノ
山頂直下の登山道 イワナシ アカモノ
北東(吾妻・安達太良連峰) 東(大滝山) 南東(天狗角力取山)
北東(吾妻・安達太良連峰) 東(大滝山) 南東(天狗角力取山)


訪れる登山者の少ない静寂の中にある山頂は灌木に囲まれて小狭い。 南西方向に広がる天鏡・猪苗代湖は陽の光を反射して美しく輝いている。磐梯山も西に見える。 大気の透明度が良ければ、那須連峰、甲子連峰、南会津の山々を指呼できるだろう。 以前はよく見えた北側の吾妻連峰は最近は木々が少々視界を遮りあまりよく見えない。 安達太良山や額取山などと同様に強風が吹き荒れることがあるので、 天候の変化に対応できる装備が望ましい。

山頂 三等三角点 看板
山頂 三等三角点 看板
南 (那須連峰・甲子連峰) 南西 (南会津の山々) 西 (磐梯山)
南 (那須連峰・甲子連峰) 南西 (南会津の山々) 西 (磐梯山)


下りは周回コースを検討する。千石川登山口へ下るのが一般的だが車道歩きが長くなる。 今回は利用の比較的少ないリステルのスキーゲレンデへ下りるケースをご紹介する。 先ずは山頂から西側の尾根を下る。途中(1192mピーク)までは千石川コースと同じである。 1192mピークに千石川登山口とリステル猪苗代への分岐があるので、南側に延びる尾根上の道へ進む。 指道標には「ふるさと林道」とある。利用する人が比較的少ないので踏み跡が薄かったり少々籔っぽい所もあるが、 尾根の上を下るだけなので迷うことはない。赤布が随所にあるので安心感はある。 南側なので日の入りの早い晩秋でも比較的登山道が明るいのが嬉しい。 途中、イワウチワの群落があった。満開の時に訪れたいものである。 高度770mくらいの地点にリステル「天狗の森」(東側)とスキーゲレンデ(西側)の分岐がある。 ここではスキー場のゲレンデの方に下りることとする。

1192mピーク 尾根上の道 イワウチワの群落
1192mピーク 尾根上の道 イワウチワの群落
随所に見られる赤布 天狗の森とゲレンデ分岐 スキーゲレンデ方面に下りる
随所に見られる赤布 天狗の森とゲレンデ分岐 スキーゲレンデ方面に下りる


九十九折りの道を下りると間もなくゲレンデに出る。ちょうどホテルから延びる長いリフトの終点付近。 あとはここから登山口へ戻ることになるが、ホテルで入浴していくのもいいだろう。

スキー場のゲレンデに出る 出口を振り返って リステル猪苗代へ
スキー場のゲレンデに出る 出口を振り返って リステル猪苗代へ

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千石川登山口 ( 所要時間:登山口から山頂まで1時間50分 )

内野地区の長瀬小学校を過ぎて別荘地の中の緩やかな道を登っていくと赤松の大木の近くに鳥居と祠がある。 ここが千石川登山口となる。マイカー3〜4台くらいの駐車スペースがある。 山の神様に登山の無事を祈って登山を始める。空に向って真っ直ぐ伸びたカラ松林が気持ち良い。 暫く進むとY字路となるので右を選ぶ。段々道が細くなり車輪跡もなくなる。

[ 参考 ] 何と無く視線を感じて見上げたら、上からカモシカがこちらを興味ありげに見ていた。 カモシカが棲息できる豊かな森がある証拠である。大切にしなければならない。

閑静な別荘地の中 千石川登山口 鳥居と祠(山の神様)
閑静な別荘地の中 千石川登山口 鳥居と祠(山の神様)
カラ松林の中を登る Y字路を右へ 登山道で出合ったカモシカ
カラ松林の中を登る Y字路を右へ 登山道で出合ったカモシカ


西尾根が中心の千石川コースは比較的緩やかな登りが多いが、尾根にとりつく辺りは 三十八転び坂と呼ばれる滑りやすい急登となるので注意が必要。三十八転び坂付近から山頂直下までは見事なブナ林である。 晩秋ともなれば登山道はブナなどの落ち葉の絨毯でクッションがあり膝にも優しい。 やがて山頂が見えてくればもう直ぐである。

[ 参考 ] 三十八転び坂について通りかかった地元のグループに伺ったところ、 人によっては三十三転び坂とか四十八転び坂と呼ぶようである。 本当の名称は何が正解だろうか。七転び坂などいかがか。私は二度足を滑らして転びそうになったが・・・。

三十八転び坂 尾根に出る 1192mピーク(リステル分岐)
三十八転び坂 尾根に出る 1192mピーク(リステル分岐)
見事なブナ林 落ち葉の絨毯 山頂を望む
見事なブナ林 落ち葉の絨毯 山頂を望む

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