福島の山々 >> 北東部 >> 天狗角力取山 (1327m)  
天狗角力取山は「てんぐすもうとりやま」と読む。何とも長い名前だが
面白い名前だけに一度聞いたら忘れられないだろう。山形県にも同名の
山があるが、本ページでご紹介するのは川桁山と大滝山の間に位置する
山で、会津百名山に選定されている。三角点はなく双耳峰のように東側
の1360mピークとあわせて天狗角力取山と呼ばれる。1360mピ
ークの南側に延びる尾根には、「天狗のハゲ」と呼ばれる山肌の白っぽ
く露出した所が二箇所ある。天狗が月夜になるとここで角力を取るとい
う面白い伝承が残っている。登山道はないので積雪期以外は藪こぎを覚
悟しなければならない。

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            ガイドブック
天狗角力取山
会津百名山

    交通:JR磐越西線「川桁」駅より、徒歩1時間
マイカー:観音寺林道に所々駐車スペースあり
所要時間:観音寺川登山口(40分)川桁山天狗角力取山鞍部(藪こぎ50分)山頂
他登山口:林道「三河・小田川」線から
     ※いずれも登山道はないので、藪こぎとなる

リゾートホテル「リステル猪苗代」の東側を流れる観音寺川沿いの 観音寺林道を終点まで行くと、川桁山の観音寺川登山口。 ここから登山道を川桁山と天狗角力取山の鞍部(旧称:小田峠)まで登る。 詳細は川桁山のページをご覧ください。

[ 参考 ] 分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)の旧版の川桁山のページにも記載があり、 川桁山と天狗角力取山の鞍部を「小田峠」と呼ぶことが多かったが、 最近は「小田峠」という名称はあまり使わないようである。

川桁山とリステル猪苗代 観音寺川沿いの観音寺林道 観音寺川登山口
川桁山とリステル猪苗代 観音寺川沿いの観音寺林道 観音寺川登山口


川桁山と天狗角力取山の鞍部(小田峠)から東側の尾根に取りつく。登山道はなく背丈の高いチシマザサな どの中を藪こぎしなければならない。途中、この尾根を登られた登山者が残した赤布などの目印を何度か確認できる。 他人と区別できるものを各々考えておられる様である。 赤布などを参考にしてもいいが、尾根の直登なので迷うことはない。

鞍部 (小田峠) 尾根筋を見上げる チシマザサの藪こぎ
鞍部 (小田峠) 尾根筋を見上げる チシマザサの藪こぎ
赤布 赤と銀のテープ 紫色の布
赤布 赤と銀のテープ 紫色の布


10月下旬、少々紅葉の見頃は過ぎた感じだが、ブラウンに近いブナの紅葉も美しい。 この時期に足もとで鮮やかな緑の葉と赤い実のクリスマスカラーが美しいのはツルミヤマシキミ。 尾根の斜度が緩くなり山頂が近くなっても灌木の中で藪こぎは続くが程無くして山頂に至る。

ブナの紅葉 ツルミヤマシキミ 灌木の藪こぎ
ブナの紅葉 ツルミヤマシキミ 灌木の藪こぎ


灌木に囲まれた狭い山頂部には枯れた古木を鋸で切った跡があり、かろうじて一畳程度の休憩スペースを確保している。 天狗角力取山と書かれた木のプレートがあり、かろうじて山頂であることを確認できる。天狗の禿も間近に見ることが出来る。 体力と時間に余裕があれば東側の1360mピークを越えて天狗の禿まで行くのもいいだろう。 なぜここの2箇所だけが禿になっているのだろうか。天狗の仕業かどうか、月夜に登ってここから確かめては天狗に怒られるにちがいない・・・。 山頂ではアカミノイヌツゲとリョウブが目立った。天鏡・猪苗代湖が日の光を反射して美しく輝いていた。

灌木の中の狭い山頂 天狗角力取山の看板 天狗の禿
灌木の中の狭い山頂 天狗角力取山の看板 天狗の禿
アカミノイヌツゲ リョウブ 猪苗代湖
アカミノイヌツゲ リョウブ 猪苗代湖


山頂からの眺望は南側が開けており、空気の透明度がよければ那須連峰まで見渡せる。 今回は少々藪漕ぎを強いられたが、残雪期に登れば藪こぎなくこの眺望を楽しめるだろう。

北西側 (磐梯山方面) 北側 (吾妻連峰方面) 北東側 (安達太良連峰方面)
北西側 (磐梯山方面) 北側 (吾妻連峰方面) 北東側 (安達太良連峰方面)
南東側 (1360mピーク) 南側 (1338mピーク) 南西側 (猪苗代湖、那須連峰)
南東側 (1360mピーク) 南側 (1338mピーク) 南西側 (猪苗代湖、那須連峰)



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