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バスの便は少ないので時刻を確認のこと。
滝沢口往復(6時間)が最も時間がかからず一般的であるが、
今回はキリンテ口から登り滝沢口に降りるコース(8時間)を紹介する。
キリンテ口からカラマツ林の中をキリンテ沢にからんで登り始める。
最初は展望はないがブナ林に変わる頃から燧ガ岳を見ながらの登りとなる。
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キリンテ口から3時間程で大津岐峠に到着する。
ここまでくれば山頂までは1時間ちょっとなのでもうひと頑張り。
富士見林道と呼ばれる稜線上の登山道は展望もなかなかである。
会津駒ヶ岳は多くの池塘が点在し高山植物に彩られる雲上の楽園。
7月下旬、登山道沿いに多くの花々が見られた。
名称と開花時期を調べて登ると楽しめる。
[ 参考 ] 「新・花の百名山」(日本交通公社出版事業局)の会津駒ヶ岳の頁に、
『滝沢橋で仮眠して七時から歩きだした。(中略)湿原に出たのが十二時。
(中略)木道の上で昼食。湿原にはイワイチョウや
ミズバショウやワタスゲもある豪華さに、北海道の夕張岳か、大雪山の沼の平を歩いているような気持ち。
小屋直下の斜面にはハクサンシャクナゲ、ニッコウキスゲ、ウラジロヨウラク・・・(中略)・・・。
小屋の前は雪解けの泥濘で、またスローテンポとなり、午後二時の到着。
あくる朝午前二時、二人の連れと中門岳に向かった。(中略)朱赤の朝焼け雲が池塘にかげを映すその美しさ。
そして、池塘のまわりはすべてハクサンコザクラである。(中略)
富士見林道を、大津岐峠を経て、麒麟手まで五キロ下る。(後略)』とある。
田中澄江が歩いた雲上の庭園を皆さんも楽しまれてはいかがだろう。
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駒ノ小屋は完全予約制。8時間前後の山行となるためできれば一泊したいもの。
駒ノ大池の畔には休憩デッキがあり多くの登山者で賑わう。
ここから山頂までは20分足らず。山頂には立派な柱標と一等三角点がある。
山頂では灌木が少々視界を邪魔するが、東北の最高峰である燧ヶ岳がよく見える。
[ 参考 ] ■かつての国土地理院の「山岳標高一覧」では会津駒ヶ岳の標高は、
一等三角点の標高が2132.4mである為、四捨五入して2132mと表記されていた。
現在は、会津駒ヶ岳の標高は2133mと表記されている。
これは三角点の標石から少し離れた所の方が50cm程度高いことによる。
山の標高と三角点の標高が一致するとは限らない一例。
■福島県には一等三角点は全部で25箇所、
県境(他県所有)も含めると31箇所ある(福島県の一等三角点一覧)。
その中の最高地点となるのが、標高2132.6mの会津駒ヶ岳の一等三角点。
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会津駒ヶ岳山頂から中門岳(2060m)までは湿原が広がり多くの高山植物が群生している。
展望もすばらしいのでぜひ足を延ばしていただきたい。
中門岳の山頂には広い池塘がある。中門ノ池である。
標柱が建っている休憩デッキ付近は多くの登山者で賑わう。
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帰りは駒ノ小屋まで戻り、南東へ延びる尾根を下る。1時間30分ほど歩き、階段を降りた所が滝沢口。
車が10台程度は止められる駐車スペースがある。ここから林道を30分ほどで案内板のある国道352号線に出る。
案内板のある所から100〜200m程度伊南村(北)側へ行った辺りに専用駐車場がある。
桧枝岐村には多くの温泉・公共浴場・キャンプ場・旅館・民宿などがあり週末はハイカーで賑う。
[ 参考 ] ■私は滝沢登山口からキリンテ登山口まで国道を歩いて戻ったが、重くなった脚には結構な距離である。
車2台で1台をデポできればいいが、車1台の場合はバスを利用するかタクシーを予約しておくのがいいだろう。
バス利用の場合は本数が少ないので事前に時刻を確認しておこう。
■「日本百名山」(新潮社)の会津駒ヶ岳の頁に、『村はずれの橋を渡ると、そこから登山道が通じている。橋のたもとに、早稲田高等学院の生徒二人の遭難碑が、
高田早苗学長の筆跡で立っていた。・・・(略)・・・登山道は細長い尾根をグングン上っていた。』とあるが滝沢口のことだろうか。
昭和11年6月中旬のこと。下山時は残雪の中、道に迷い上ノ沢へ出たことが書かれている。
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