福島の山々 >> 北東部 >> 虎捕山 (705.5m)  
飯舘村と伊達市霊山町の境界に位置する。別名:佐須山ともいう。平安
時代中期の後一条天皇の時代に、陸奥守である源頼義が橘墨虎という(
朝廷側から見れば)凶賊をこの山で捕えたことが虎捕山という名前の縁
起という。南麓の山津見神社拝殿からの登拝路を登りつめた所にある山
頂直下の岩場は眺望絶佳で、山津見神社の本殿が鎮座している。体力と
時間に余裕があれば霊山と合わせて登るのもいいだろう。

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虎捕山
うつくしま百名山

    交通:JR東北本線「福島」駅またはJR常磐線「相馬」駅より、タクシー利用
マイカー:山津見神社の駐車場を利用
所要時間:拝殿(15分)手水舎(3分)虎捕洞(10分)本殿(5分)山頂
     山頂(5分)本殿(15分)金華山(15分)手水舎(10分)拝殿
他登山口:行合道(こどもの村)側から

登山口は北麓の伊達市霊山町の行合道(ゆきあいどう)地区と、南麓の山津見神社の二箇所。 当ページではコースがよく整備されている南麓の山津見神社からのコースをご紹介する。 国道115号線利用の場合、霊山こどもの村付近より県道31号線を利用して南進する。 3kmほど南進すると案内板が見えてくるので右折して3km程で山津見神社に着く。 山津見神社には広い駐車場がある。一対の白狼の狛犬を見ながら拝殿にて参拝し、 拝殿脇から指道標に従い進むとすぐに「虎捕山津見神社御本殿登拝入口」と書かれた石柱が建っている。 雑木林の中の快適な登拝路を登り始める。

[ 参考 ] 源頼義の命を受けて藤原景道が橘墨虎を討伐した際に、橘墨虎が潜んでいた場所(虎捕洞)を白狼が教えたという。 かつて私が何度となく足を運んだ東京都の御岳山(みたけさん)にも同様の伝説が残る。 東征した日本武尊(倭建命)が御岳山で道を失った時に、白狼が現れて道案内をしたという。 白狼とは絶滅したニホンオオカミだろうか。

山津見神社 広い駐車場 拝殿
山津見神社 広い駐車場 拝殿
本殿参道への看板 登拝路入口 雑木林の中の登拝路
本殿参道への看板 登拝路入口 雑木林の中の登拝路


拝殿から15分ほど登ると手水舎。ここで小休止して手と口を清める。登山道は手水舎の直ぐ上で二俣に分かれる。 左は金華山を経由するコース、右は虎捕洞を経由するコース。金華山は下りに経由することとし、右へ進む。 露岩帯に建つ木の鳥居をくぐり少し登ってゆくと虎捕洞。橘墨虎が捕まったという伝説が残る大岩の洞窟である。 虎捕洞から100mほど登ると険峻な岩場が見えてくるので、梯子や鎖を頼りに登る。

[ 参考 ] 鉄製の梯子には掛田村(現・伊達市霊山町掛田)の文字が見える。掛田村が誕生したのは1889年。 1898年には掛田町となったので、今から百年余り前に製作された梯子であることが分かる。大切に利用させてもらおう。

手水舎 木の鳥居 虎捕洞
手水舎 木の鳥居 虎捕洞
虎捕洞内部 梯子 掛田村の文字を確認できる
虎捕洞内部 梯子 掛田村の文字を確認できる


梯子を二つ続けて登り終えると的場と呼ばれる小広い平坦な岩場。ここから奥の梯子を登っていくと山津見神社の本殿。 本殿に向かって左手にステンレスのチェーンが張られているので、本殿裏手の岩峰へ慎重に登って行く。 岩峰上部には祠が置かれている。

的場 本殿 本殿脇を登ってゆく
的場 本殿 本殿脇を登ってゆく
岩場 展望台(岩峰上部) 岩場にある祠(右奥は山頂)
岩場 展望台(岩峰上部) 岩場にある祠(右奥は山頂)


岩峰上部からの眺望は大変雄大。東から南には阿武隈の山々、西には吾妻連峰、北には霊山を見渡すことができる。 岩峰から北側へ延びる尾根上の踏み跡をたどると5分ほどで山頂。 木々が視界を遮り眺望はあまり期待できない。

北東(手倉山) 東(堂六神山、太平洋) 南東(野手上山、戦山)
北東(手倉山) 東(堂六神山、太平洋) 南東(野手上山、戦山)
(吾妻連峰) 北西(中通り北部) 北(霊山)
西(吾妻連峰) 北西(中通り北部) 北(霊山)
展望台から山頂への道 山頂 三等三角点
展望台から山頂への道 山頂 三等三角点


帰りは金華山を経由して拝殿に戻ることにする。 本殿直下の的場まで下ると金華山へのコースがあるので、トラロープを頼りに慎重に下る。 滑りやすいので天候の悪い日などは特に注意したい。 本殿から15分ほど下ると岩峰が見えてくる。金華山である。ここからは花塚山や口太山など南側の眺望がいい。 眼下には放牧地の様子がよく見える。北側を振り返ると本殿裏手の岩峰が随分上に見える。 金華山の岩峰の基部には祠が祭られている。 トラロープ頼りの急坂を下り、200mほどトラバース気味に進むと手水舎が見えてくる。

的場から金華山 金華山 金華山から本殿裏の岩峰を望む
的場から金華山へ 金華山 金華山から本殿裏の岩峰を望む
金華山の岩場を基部から仰ぐ トラロープ頼りの急坂 手水舎が見えてくる
金華山の岩場を基部から仰ぐ トラロープ頼りの急坂 手水舎が見えてくる



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