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国道349号線大子町にて八溝川沿いの県道28号線を西へ10Km程行くと八溝山登山口に着く。
八溝山の麓はお茶やワサビの産地として有名。また久慈川や八溝川など付近の川は、
生活圏を抱える川にしては比較的清流が保たれているところが多く、鮎や岩魚、山女の釣果を求める人々でシーズン中は賑わう。
石碑群の見られる蛇穴登山口には数台程度の駐車スペースやトイレ、水場もあるので、時間と体力に余裕があれば
往時のようにここから登るのもいいだろう。(山頂まで1時間50分程)
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頂上まで車で行けるが出来れば日輪寺入口(標高約770m)に車を置いて登りたい。(50分程)
ここからは「日輪寺ハイキングコース」と「八溝五水ハイキングコース」の2コースを選べる。
本ページでは旧参道入口からの八溝五水ハイキングコースをご紹介する。
日輪寺入口から50mほど車道を登っていくと右手に旧参道登山口がある。
登山道はよく整備され歩きやすいが、時期と場所によっては笹藪となっている箇所もあるので注意が必要。
妙見菩薩を過ぎれば、100mほどで徳川光圀公が愛飲したと云われる金性水。
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金性水の所には「日本の名水百選」に選ばれた八溝川湧水群の案内板がある。
八溝五水(「金性水」「鉄水」「龍毛水」「白毛水」「銀性水」:徳川光圀公の命名 )は、
冬場は枯れていることが多いので梅雨の時期を過ぎてから行くといい。
高梨家屋敷跡から始まる八丁坂を登り、月輪寺跡付近の枝道を右へ80m程行くと龍毛水。
月輪寺跡に戻り100m程登ると車道と出合う。左に65m程行くと白毛水。
近くの駐車場には案内図があるので現在位置を確認しておこう。富士見が丘からは条件が良ければ
富士山が見えるようである。先ほどの車道出合いまで戻り200m程登れば銀性水。
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銀性水から少し戻り5分程登れば山頂に着く。山頂には立派な八溝嶺神社があり、古くからの信仰の山であることを
改めて気づかせてくれる。神社のすぐ脇には鉄筋コンクリート造りのお城の外観をした展望台(大人100円、小中学生50円)や
駐車場、トイレ、アンテナ施設があり、時の流れを感じる。八溝山塊の盟主だけあって立派な一等三角点も設置されている。
高笹山方面(県境尾根)や大梅登山口方面への入口は駐車場(トイレ)の脇にある。ふくしま遊歩道50選に選定された
「八溝山天然林」の茗荷方面へもここから下りていける。
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山頂からの展望は木々に囲まれあまりないが、展望台に登れば非常にすばらしく360度の大パノラマを楽しめる。
北は飯豊連峰、磐梯山、安達太良連峰、阿武隈山地(日山、大滝根山)、西には日光連山、那須連峰、甲子連峰を望むことができる。
南は男体山や筑波山が望めるが、条件が良ければ富士山が見えるという。
[ 参考 ] 展望台の山頂には展望盤と大きな双眼鏡がある。シミュレーション画像によれば富士山は219度の方角に
見えるようである。気象条件のいい日に筑波山の西30度付近を凝視してみよう。カメラで撮影するには35mmフィルム換算で300mm以上の望遠が欲しいところ。
なお、富士山の見える北限の山は二本松市にある麓山(羽山)。かつては日山(天王山)が北限の山だったが2001年の1月にその座を明け渡した。
興味がある方は富士山を遠望できる福島県内の山々も参考にどうぞ。
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棚倉町大梅地区の久慈川上神社近くの大きな鳥居(大梅地区から八溝嶺神社への参道)が登山口。大正11年12月建立の古いが立派な鳥居である。
八溝山頂との標高差702m、歩行距離13kmのコースとなる。案内板があるのでよく確認しておこう。
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棚倉町中山本地区の砂防ダム下が登山口。登山口にはマイカー3台くらいの駐車スペースがある。
大内平沢沿いに登り、尾根に登ったところで大梅登山口からのコースと出合う。
八溝山頂との標高差652m、歩行距離12kmのコースとなる。
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矢祭町茗荷地区の茗荷林道終点の八溝山天然林入口が登山口。茗荷林道の中程にゲートがあり閉っていることが多く、
その場合はゲートから林道終点まで約40分(3km)程の歩きがプラスされる。
八溝山天然林入口には案内板があるが現況は設置時より荒れている。北側のコースと南側のコースに分かれるが
県境尾根に取りつく南側のコースは踏み跡が不明なところが多いので気をつけたい。
林道終点から先ずは杉林の方へ進みガレた沢沿いの踏み跡をたどる。
20分程で「ふくしまの遊歩道50選」の看板が見えてくる。看板の少し手前(下流)には県境尾根に取りつく
南側コースへの分岐があるはずだが踏み跡不鮮明のため、今回は踏み跡のしっかりした北側コースをたどる。
[ 参考 ] 山頂から東側の矢祭町の茗荷川源流部を中心とした一帯(約44ha)は
ブナやミズナラ、ヤマツツジ、ゴヨウツツジ(マツハダ)などの原生林がある。
原生林は40年以上前から地元の八溝山天然林保存会の人々によって保護され「八溝山天然林」として保護林の指定を受け、2001年には
ふくしま遊歩道50選に選定されている。
なお、矢祭町の茗荷地区は柚子の産地として知られ、毎年11月頃には美しい黄色い実を収穫する様子をよく見かける。
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「ふくしまの遊歩道50選」の看板の場所から少し沢に沿って登り、
踏み跡を見失わないように注意しながら左手の支尾根に取りつく(登山ルート参照)。
なお、もしもルートを見失った場合でも地図とコンパスで現在地を確認しながら少々の笹藪の藪こぎをして
尾根に登れば大梅からのコースあるいは県境尾根コースに合流はできよう。
支尾根を登り着実に高度を稼げばブナやヤシオツツジの中を歩くようになる。足元にはイワウチワも見られる。
花の季節に登るのもいいだろう。他にも、リョウブ、アオハダ、ミズナラ、ナツツバキ、ネジキ、ウリハダカエデなど
樹木名の看板をたくさん確認できるので木の名前を覚えるのにもいい。
やがて大梅からのコースに合流、50m程歩くと今度は大神宮山・高笹山方面からの県境尾根コースと合流する。
合流地点から県境に造られた高さ1mほどの土手に沿って30分くらい登れば八溝山頂である。
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茨城県大子町唐竹久保地区にも登山口がある。大神宮山・高笹山・池の平の県境の尾根を縦走する人気のコース。
新緑や紅葉の季節に下りの利用者が多い。古い案内図が歴史を物語る。唐竹久保には茨交県北バスのバス停もあるが本数が少ないので要確認。
茶畑の中の林道を進むと唐竹久保林道と出合うがここから歩くと山頂まで4時間ぐらい必要となる。
通常は唐竹久保林道の終点にある大神宮山の野生生物観察施設の駐車場(標高700m)まで
車で登りそこからスタートする。山頂までおよそ3時間程度である。
唐竹久保林道は雨水による洗掘などの影響で荒れているので普通乗用車の場合は慎重な運転が必要となる。
グループで登山される方などは八溝山頂と大神宮山の駐車場に各々車をデポすれば、体力と時間を節約できる。
(唐竹久保に車を駐車する時には、バスの発着に邪魔にならないように注意のこと。)
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