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駒止湿原の近くの針生地区には多くの民宿がある。針生から赤穂原川に沿って延びる旧国道289号線を
6Km程進むと湿原駐車場への分岐がある。駐車場は50台程度停められるが、ハイシーズン(5月下旬:
ミズバショウ、6月中旬:ワタスゲ、6月下旬:ニッコウキスゲ)はマイカーや大型バスで満車状態となる。
駐車場から湿原の入り口までは5分程。12月〜5月上旬までは雪で覆われるので注意。
(バスやマイカーの乗り入れ規制やシャトルバスの運行も検討されているので最新情報に注意してください。)
[ 参考 ] 近くの駒止峠はきつい峠道で駒を止めるほどの難所といわれるが、一方では燧ヶ岳や会津駒、
浅草岳などの眺望の良さに駒を止めて一休みしたとも云われる。時間があれば寄り道したい。
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駒止湿原の駐車場への分岐地点から旧国道を500m程進んだ駒止峠の手前に「峠の茶屋」がある。
長い間、駒止湿原の保護に尽力されてきた茶屋で、珈琲、いわな、そば、栃もち、地ビールなどが美味しいので時間があれば休憩や宿泊するのもいい。
(長い間、湿原の保護にご尽力されてきたご主人の中村源治さんは1999年に亡くなられました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。)
[ 追記 2010.05.10 ] 「峠の茶屋」は2005年をもって廃業し、現在は更地となっている。
長年にわたり峠と湿原を見守っていただき、ありがとうございました。
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大谷地は三湿原中で一番大きな湿原で、木道を進むにつれ徐々に低層湿原、中間湿原、高層湿原と
変化し多くの湿原の植物を楽しめる。ここの木道は一方通行となっているので注意。
「峠の茶屋」の中村さんによると、7月上旬頃にワタスゲ(白)、ニッコウキスゲ(黄)、ヒオウギアヤメ(紫)の
当たり年と最盛期が重なる「三重奏」を堪能できる年が十年に一度程度あるとのこと。
中間湿原付近には双苞(白い仏炎苞が二枚)の珍しい水芭蕉も少し見られる。
[ 参考 ] 年間6万人超といわれる観光客が歩くことで生じる木道の沈下や、
一部のマナーの悪い観光客による湿原の踏み荒らしにより湿原内の水の流れが分断され湿原の植生が変化してきている。
高架式の木道に切り替えたりコースを見直したりすることで人的負荷の影響を抑える計画が、
昭和村と南会津町により進められている。
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大谷地の終点は小さな白樺林となっており、その先には農道が通っている。
大谷地から白樺谷地へは指道標に従って農道を300m余り歩く。
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白樺谷地は典型的な高層湿原でワタスゲ、ミズゴケ、ツルコケモモが多い。他に周縁の
花木としてノリウツギやシャクナゲが目立つ。ワタスゲには10年に一度程度の大当た
り年と3〜4年に一度程度の当たり年がある。
[ 参考 ] ワタスゲ(綿菅)というとなんと言っても実期の風にゆれる白い果穂のイメージが強く、花期は意外と知られていない。
駒止湿原でも水芭蕉の時期に写真のようなワタスゲの花が沢山みられる。
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水無谷地はハクサンシャクナゲなどの低木類やミズバショウ、ミズゴケが多い。
水無谷地の奥には駒止湿原終点の標識がある。終点から北西への道は、昭和村側の入口へ通じている。
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水無谷地からの帰りは大谷地出口のまで同じ道を戻り、そこからは(一方通行の為)大谷地には
入らず開拓農地跡の中の農道を駐車場まで戻る。農道周辺は戦前はブナの原生林で
あったが、戦中の食糧増産政策で農地として開拓され昭和30年代までは野菜等が
栽培されていた。ブナ林が喪失した一帯は保水力を失い、既存の湿原への土砂の
流出等が危惧される状態にある。現在は昭和村と南会津町が所有する公有地となり、
駒止湿原保護協議会やボランティアが中心となってブナの幼木が沢山植樹されており、
ブナ林の復元が試みられている。
[ 参考 ] 駒止湿原の北西約2km(直線距離)
の玉川林道沿いに「冷湖(ひゃっこ)の霊泉」と云われる名水がある。名水の多い昭和村の中
でもとりわけ評判が高く、水量も豊富で冷たく非常に美味しい。「峠の茶屋」より
100mくらい駒止湿原駐車場寄りの玉川林道入口付近に指道標があるので、時間があれば
立ち寄っていただきたい。(駒止峠側からだと水場までは玉川林道を5km余り入る)
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