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国道118号線沿いには大戸岳への案内板があるが見落としやすいので注意。
昭和シェルのSSと会津バスの「闇川別」バス停が目印となる。
ここから国道を離れて闇川集落を目指す。
闇川集落の中心部には闇川ふれあいセンターがあり山開きの時には集合場所となる。
闇川ふれあいセンターから先に進み、大宮神社を過ぎると右手に登山者が利用できる大きな専用駐車場が見えてくる。
さらに進むと闇川登山口への林道の起点。手前には案内板があるので確認しておこう。
分岐点から1Kmほど林道荒俣線を上っていくと闇川登山口。
登山口から登り始めると直ぐに左側に姥様の石仏が見えてくる。
登山の安全を祈ったら、小荒俣沢の砂防ダムを右手に見送り尾根道を登っていく。
随分イワウチワやショウジョウバカマの葉が目立つ。見頃は残雪のある5月上旬頃だろうか。
6月上旬、タムシバ、クロモジ、ホウノキなどは少々見頃を過ぎたくらいだった。
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登山道は明瞭だが、木の根張りが多く足に引っ掛かり易く、また雨の日は非常に滑りやすい。
登山口から1時間20分ほどで5合目。小広い広場になっておりアスナロが目立つ。
以前は尾根上の直登コースと水場経由コースの分岐点だったが、現在は直登コースは藪で廃道に近い。
「水場」の指道標に従って尾根を少し越え、トラバース気味のぬかるんだ登山道を20分ほど登ると中ツ手清水。
山頂まではまだ1時間20分ほどあるのでここで一息いれたい。
急登が終わり、痩せ尾根(俗に言う蟻の戸渡り)の岩場に出るとそこが「風の三郎」。その名の通り風が吹き渡り、祠が置かれている。
大戸岳でここが一番見晴らしがいい。白松沢の大きなスケール感の眺めが見事。(この日はあいにくの曇り空で残念)
トラロープが何本もあり少々目障りだが、登山者の安全の為には仕方ない。
6月上旬、アカモノやツガザクラが見頃。
「風の三郎」からゆっくり登って20分ほどで山頂。
山頂は比較的広い。灌木がやや視界をふさぐが、晴れていれば一等三角点にふさわしく、
遠くに飯豊連峰、吾妻連峰、磐梯山、猪苗代湖、那須連峰が望まれる。
[ 参考 ] ■大戸岳は一等三角点を目当てに訪れる登山者も多い。
福島県には一等三角点は全部で25箇所、県境の他県所有の三角点を含めると31箇所(福島県の一等三角点一覧)。
■吹き荒れる風を神様の仕業と考える風習が日本の地方に残るが、「風の三郎」は風神の愛称。宮沢賢治の童話『風の又三郎』にも通じるか。
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最寄駅は「芦ノ牧温泉南」駅となる。マイカーの場合は駅前の駐車場を利用させてもらおう。
駅を出て右手に100mほど行くと桑原林道起点。
50mほど進み舗装された林道を離れ左に入り、畑の中の作業道を九十九折りに登っていくと神社が見えてくる。
途中、振り返ると、桑原集落と小野岳の眺めがいい。
桑原登山口は神社に向かって右手の桑原簡易水道施設の手前となる。
杉林の中の薄暗い登山道を登っていく。
[ 参考 ] 2010年以降、桑原コースは登山道の整備をせず廃道にすることになったので注意。
2008年には滑落による死亡事故などがあり危険だということだが、
沢、トラバース道、尾根、岩場、シャクナゲ、ブナ、アスナロなど、
大戸岳の魅力を存分に味わえるこのコースが廃道になるのは本当に残念。
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杉林を抜けると雑木林の中のトラバース気味の気持ち良い登山道となる。
新緑や紅葉の季節が特にお勧め。途中、長命水と呼ばれる水場があるので、ここで小休憩。
ここから先、道幅は次第に狭くなってくる。
木道のように整備してある箇所などは損壊や滑落に特に気をつけたい。
やがて沢を(歩行距離にして200m〜300mくらい)登るようになるが、岩や石が滑りやすいので注意。
迷うことは少ないと思うが、所々赤ペンキの矢印があるので参考にできる。
沢を離れると今度はリョウブなどの根張りの目立つトラロープ頼りの急登に変わり汗を絞られる。
途中にある大岩群には「天狗の休み場」という名前が付けられている。
ここから上はアスナロが目立つようになる。かなりの大木もある。樹齢は百年を軽く超えるだろう。
6月上旬、アズマシャクナゲが名残り咲き。見頃は5月下旬頃だろうか。
振り返ると小野岳と若郷湖の眺めがいい。
大戸岳と小野岳の間を流れる阿賀川(大川)にかかる大川ダムによって出来た若郷湖は紅葉のポイントでもある。
やがて痩せた岩尾根に出ると間もなく山頂が見えてくる。
[ 参考 ] マイカー利用時に、闇川登山口から上り桑原登山口に下り闇川登山口に戻る場合は、
会津鉄道を利用して「芦ノ牧温泉南」駅から「芦ノ牧温泉」駅まで行くと便利だろう。
「芦ノ牧温泉」駅から闇川登山口まで歩くと1時間30分ほど必要なので、タクシーの利用も検討したい。
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