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御霊櫃林道は舗装されているが幅が狭いので対向車やオフロードバイクに注意が必要。
峠には巨大アンテナ施設があり遠くからも目を引く。駐車場は乗用車20台くらい収容可能で、トイレもある。
休日ともなると峠付近は観光客で賑わうが、登山道に入るとその喧騒は嘘のように静まり返る。
御霊櫃峠は戊辰戦争(会津戦争)の際に会津藩(奥羽越列藩同盟)の防衛拠点が置かれ、
今でも保塁の跡が残っているそうである。興味のある方は一帯を詳しく調べたらどうだろうか。
峠からガレ道を登ると社がある。昔は雨乞いでも行われたのであろうか。
[ 参考 ] 御霊櫃の由来:峠の案内板に『地名の由来は、前九年の役で源義家の東征に従った
鎌倉権五郎景政が、近くの賊徒を平定し、御霊の宮を造営し、鎮護を祈ったが、災害が相つい
だ為、山中の霊石に神霊をうつして五穀豊穣を祈願したことに始まり、里人らが、その石を御
霊櫃と呼びならわしたことから名付けられたと言われる。(郡山市観光協会)』とある。
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[ 参考 ] ■御霊櫃峠近くには、御霊櫃と村人が呼んだ櫃石(ひついし)があるので時間のある方はご覧いただきたい。
御霊櫃の峠から車道を東側(多田野側)へ少し下ったところにある。櫃石入口には小さい看板があるが見過ごし易いので注意。
林道を挟んで向かいには5〜6台程の駐車スペースがあり郡山市街地を望むことが出来る。
■御霊櫃峠から西の三森峠側へ至る道もある。新奥の細道「古代の村から分水嶺を歩くみち」(三森峠〜夏井:全長14.5km)の三森峠〜御霊櫃峠の6.6km区間である。
しかし、1992年に三森峠に新道が開通してから利用者も少なくなり荒れている。残念である。
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30分程登ると黒岩山と云われる岩場。尾根伝いの縦走コースだけあって開放感がある。
西風をまともに受ける立地とその地形からか1000m余りという低い
標高の割りには高山性の雰囲気が漂い、ブナ林の二次林と思われる植生も見られる。
6月上旬にはヤマツツジの花で一帯が赤く染まるが、その他にも多くの高山性の植物が目を引き、
植生の多様さにも目を見張るものがあるので、それを目的に登るのもいい。
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山頂からの眺めはすばらしい。東には郡山市街が広がり、西には猪苗代湖の湖面が
光輝いている。
ただし、ここは風の通り道となっており、強い風と霧になることが
非常に多いので天候には十分注意のこと。
山頂さらに1時間程で額取山へ至るので、時間と体力に余裕がある方はぜひ痩せ尾根の
縦走路を堪能していただきたい。
[ 参考 ] 深田久弥は「日本百名山」(新潮社)の磐梯山の頁で次のように記している。
『私の得た最もみごとな眺望は、湖の東南側にある額取山から高旗山に続く丘陵山脈上から
であった。その高所から猪苗代湖の一大円鏡を見おろし、その彼方にいさぎよい形で立った
磐梯山を眺めたが、これほど気高く美しい磐梯は初めてであった。』
深田久弥が眺めたポイントは定かではないが、「額取山から高旗山に続く丘陵山脈上」とあるので、ここから
それほど遠くはないであろう。皆さんも、深田久弥が絶賛した眺望を一度眺めてはいかがだろうか。
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