福島の山々 >> 北西部 >> 鏡山 (1338.9m)  
西会津町北部の会越国境に位置する。鏡山という山名は全国に多く見られ
るが、その中でも標高が最も高いのではないだろうか。飯豊連峰の一角で
飯豊山のちょうど真南に位置する。山頂からは大日岳や御西岳、飯豊山、
種蒔山などが眼前に広がり、迫力ある飯豊連峰の眺望を心ゆくまで堪能で
きる。弥生コースを利用すれば2時間足らずで山頂に至るので、家族連れ
での登山にもいい。飯豊山や大日岳の残雪期や紅葉の時期で、鏡山山頂か
らの視界の良い日がお勧め。

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鏡山
うつくしま百名山 会津百名山

    交通:JR磐越西線「徳沢」駅または「山都」駅よりタクシー利用
マイカー:弥生コースの場合、極入(久良谷沢)林道の林道終点に駐車スペースあり
     ※悪路や損壊、倒木、落石、残雪などにより、通行困難な場合あり
所要時間:林道終点(25分)弥平四郎集落からのコースとの合流点(30分)七森峰(50分)山頂
他登山口:弥平四郎(四ツ沢)コースや極入(弥平四郎)林道の終点、疣岩山三国岳方面などから
 山開き:毎年5月下旬(日程は変更になる場合があります)
     ※問い合わせ:西会津山の会
     ※福島県内の山開き日程の一覧

弥生(久良谷沢)コース ( 登山口標高:約800m、所要時間:山頂まで1時間45分 )

渓流釣りで人気のある奥川沿いに県道383号線(熱塩加納山都西会津線)を北進し、 極入を過ぎたところから弥生集落に入る。案内図があるので参考にできる。 弥生集落の弥生分校跡地への道を左に見送り直進すると、極入(久良谷沢)林道。 林道終点から1〜2km手前(作兵ェ沢沿い)は悪路となっており道路の損壊も目立つ。 一般乗用車では終点までは難しい時もあるので、時間的な余裕をもったスケジュールとしたい。 林道の終点には5〜6台程度の駐車スペースがある。ここから先は登山道となる。

弥生集落分岐 案内図 弥生集落を過ぎて林道へ
弥生集落分岐 案内図 弥生集落を過ぎて林道へ
林道ゲート 林道終点(登山口) ここから先は登山道
久良谷沢林道ゲート 久良谷沢林道終点(登山口) ここから先は登山道


イワウチワの目立つ枝尾根の登山道を登り着実に高度を稼ぐ。イワウチワの見頃は5月下旬頃だろうか。モミの大木の根張りが見事である。 やがて頭上が開け斜度が緩やかになってくると、間もなく弥平四郎からのコースを合わせる。 今度は県境尾根の七森峰を目指す。15分ほど登ると「清水あります」の看板。 歩行距離にして30mくらいだろうか、左側に少し降りて行くと沢の源頭部がある。冷たくて美味い。 さらに高度を稼いでいくと南西方向に高陽山と高森山がよく見える。裾野の広いどっしりした名峰である。

イワウチワの目立つ登山道 支尾根まで登ると平坦な道 弥平四郎コースとの合流点
イワウチワの目立つ登山道 支尾根まで登ると平坦な道 弥平四郎コースとの合流点
指道標 清水の看板 高陽山、高森山
指道標 清水の看板 高陽山、高森山


清水のところから15分ほど登ると県境尾根に至る。ブナの中の快適な尾根道である。 7月中旬、ツルアリドオシの小さくて可愛い花が見頃だった。県境尾根の最初のピークが七森峰。 この日は雲に隠れ気味だが、大日岳の雄姿も見えるようになる。さらに少し登ると鏡山のピークが見えてくる。 ブドウのようなサンカヨウの実が目立つ。 七森峰と鏡山の中間にあるピークを越えて、最後の急登を終えると鏡山山頂に至る。 鏡山の山名の書かれた標柱と少々斜めになった三等三角点の標石がある。少し離れたところには主三角点もある。 山頂で出迎えてくれたのはスジクワガタの雌。

[ 参考 ] 「主三角点」は明治時代の農商務省山林局が行った三角測量の基準点の一つ。 「主三角点」の他に、「次三角点」や「補点」がある。

主尾根上の快適な道 ツルアリドオシ 雲に隠れる大日岳
主尾根上の快適な道 ツルアリドオシ 雲に隠れる大日岳
鏡山山頂が見えてくる サンカヨウ 鏡山山頂
鏡山山頂が見えてくる サンカヨウ 鏡山山頂
三等三角点 主三角点 スジクワガタの雌
三等三角点 主三角点 スジクワガタの雌


飯豊連峰の展望台と称されることが多い鏡山だけに、山頂からのパノラマは圧巻である。 北西に大日岳、北側には御西岳、飯豊山、北東には種蒔山、巻岩山、疣岩山、三国岳。 東側には吾妻連峰、南東には磐梯山。 この日の飯豊連峰は昇竜のような白雲に山頂部が少々隠れていたが、十分にその迫力ある絶景を楽しめた。

大日岳、オンべ松尾根 御西岳、飯豊本山 種蒔山、巻岩山、疣岩山
大日岳、オンべ松尾根 御西岳、飯豊本山 種蒔山、巻岩山、疣岩山
巻岩山、疣岩山、三国岳 代塚山、飯森山、吾妻連峰 磐梯山
巻岩山、疣岩山、三国岳 代塚山、飯森山、吾妻連峰 磐梯山

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弥平四郎(四ツ沢)コース ( 登山口標高:約500m、所要時間:山頂まで2時間20分 )

弥平四郎集落を過ぎて四ツ沢農道を終点まで入った所にも登山口がある。砂防ダムのある農道終点までは車で入れる。 時期によっては四ツ沢農道の入口や、飯豊山の弥平四郎登山口へ至る極入(弥平四郎)林道の入口のゲートが チェーンで閉鎖されている場合もあるようなので注意。砂防ダムを右に見て登り始める。

弥平四郎集落 鏡山は左折、飯豊山は直進 案内板
弥平四郎集落 鏡山は左折、飯豊山は直進 案内板
砂防ダムが見えてくる 登山口、駐車スペース 砂防ダムを右に見て登る
砂防ダムが見えてくる 登山口、駐車スペース 砂防ダムを右に見て登る


砂防ダムを過ぎると間もなく二本の丸太で作られた橋を渡り、杉林の中を登って行く。 登山道は四ツ沢沿いである。雨の日やその直後などの登山は増水や登山道の損壊などに十分気をつけたい。 4mくらいの滝を巻くように登ると直ぐに沢は二俣に分かれる。左が長松平、右が三重滝沢だろうか。 二俣の手前で沢を渡り、長松平方面へ登って行く。沢身を5m位だが少々へつり気味に歩かなければならない個所があった。 増水時には靴が濡れないように気をつけたい。

沢を渡り杉林を登る 沢沿いの登山道 4mの滝
沢を渡り杉林を登る 沢沿いの登山道 4mの滝
沢の二俣の所で渡る 沢身を少しへつる 指道標
沢の二俣の所で渡る 沢身を少しへつる 指道標


砂防ダムのある登山口から30分ほど登ると、沢を離れ尾根道となる。 弥生集落からのコースとの合流点が近づくと、少々トラバース気味の登山道となり、 鏡山や巻岩山、疣岩山、三国岳が見えてくる。7月中旬、エゾアジサイやギンリョウソウ(液果)が見頃。 登山口から1時間で弥生集落からのコースとの合流点である。(ここから先は弥生コースに同じ)

尾根道 トラバース気味の登山道 鏡山山頂が見えてくる
尾根道 トラバース気味の登山道 鏡山山頂が見えてくる
エゾアジサイ ギンリョウソウ(液果) 弥生集落コースとの合流点
エゾアジサイ ギンリョウソウ(液果) 弥生集落コースとの合流点

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