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西会津町の弥平四郎集落のはずれに飯豊山弥平四郎登山口がある。
登山口の手前にはゲートがあり、そこから極入(弥平四郎)林道が4kmほど北に延びており、
終点には大きな駐車場が整備されている。
ゲートは山菜とキノコの時期にはチェーンで閉鎖されているが、原則として登山者には開放していただける。
林道終点(駐車場)の50mほど手前には新長坂ルートの入口と看板がある。
新ルート(上ノ越ルート)の入口は駐車場内の飯豊連峰絵図面の脇となる。
[ 参考 ] ■ゲートは集落の各戸で鍵を持っているが、ゲート手前のお宅が鍵当番となっている(最新情報は要確認)。
原則として登山者には鍵を貸していただけるが、林道に残雪や損壊などがある場合など、状況によっては貸していただけない場合もあるようなので注意したい。
■山菜やキノコは地元の貴重な食糧や収入源だろうから登山者としてのマナーは守りたい。
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新長坂ルートを上り、新ルート(上ノ越ルート)を下ることとする。
新長坂ルートの大きな看板の所から祓川へ下りてゆく。
祓川に架かる橋は流されて電柱の仮設の橋となっていた。雨の日などは電柱が滑り易いので注意。
なお、30mほど下流の石群を飛び石のようにして対岸に渡ることも可能。
尾根に取り付いて10分ほどで祓川山荘に着く。二階建ての立派な無人の山荘で、導水しており炊事場もある。
ブナの中の快適な尾根道を15分ほど登ると北側に疣岩山が見えてくる。祓川山荘から1時間20分ほどで十森。
6月上旬、水場は残雪に覆われている。
残雪の上にはブナの芽鱗が目立つ。芽吹きから新緑へ移行する時期によく見られる光景である。
少し登るとテン場(2張り)がある。
[ 参考 ] ■6月上旬、随分とブヨ(ブユ)の群れに纏わりつかれた。体長5ミリ前後の小さな黒いハエのような虫である。
ブヨが生息する地域は美しい自然の証ともいわれるが、少々困りものである。
ディートを主成分とする忌避剤はあまり効かないが、ないよりましだろう。ハッカ精油などが効果があると云われるがどうだろうか。
リンデロン軟膏などのステロイド系塗り薬を持参して、刺されたら直ぐに塗ると症状も軽くすむのではないだろうか。
女性の方などは長袖や手袋、ネット帽などを用意された方がいいかもしれない。
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十森からイワウチワの目立つトラバースぎみの登山道を20分ほど登ると松平峠。ここから北西に疣岩山を間近に仰ぎみることができる。
ここから松平尾根ともいわれる急峻な痩せ尾根を登る。ザレたというよりは砂岩に近い感じで滑りやすい。
最後の難所であるが、この眺望の支脈は疣岩山登山の楽しみのひとつでもある。
松平峠から50分ほどで猪鼻。ダケカンバだろうか老木が二本。イノシシの牙のようにも見える。
ここには水場があり「清水→」の看板があるが、6月上旬はまだ残雪に覆われていた。
猪鼻から10分ほどで上ノ越分岐。左が上ノ越・鏡山方面、右が疣岩山・三国岳方面。
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県境尾根の登山道はカタクリの群生が見頃を迎えていた。
6月上旬、所々残雪があるが、斜度も緩やかで歩き易い。
疣岩分岐の柱標の所から5分ほどで獅子沼分岐。
獅子沼はまだ雪に覆われていた。雪解け後は湿地帯になり小さなお花畑を楽しめるかもしれない。
獅子沼分岐付近からようやく大日岳を眺められるようになる。実に雄大な姿で、暫し足を止める。
獅子沼分岐から5分ほどで開放的な疣岩山の山頂に着いた。
少々斜めになった三等三角点の標石が愛おしい。
東側には三国岳への稜線が続く。三国小屋も遠望できる。時間と体力に余裕があれば足を延ばすのもいいだろう。
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大日岳の展望台と称されることもある疣岩山だけに、山頂からのパノラマは圧巻である。
西に大日岳、北西には御西岳、北には飯豊山、北東には種蒔山、三国岳。
東には飯森山や吾妻連峰。南西には高陽山や鏡山。この日は雲は多目だが晴れてよく見渡せる。
北東側の三国岳〜種蒔山〜草履塚に比べて、北西側の御西岳〜大日岳の残雪の量が多いのが一目瞭然。
雄大な飯豊連峰には雄大な白雲もよく似合う。
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下りは上ノ越を経由して駐車場まで戻る周回コースとする。
疣岩分岐と書かれた柱標の所まで下りて、ここから上ノ越を目指して県境尾根を下る。
6月上旬、こちらも所々残雪があるが、涼しくて気持ち良い。
道沿いにはミツバオウレンが見頃。純白の花が輝く星のようである。
山頂から30分ほどで巻岩山(1578m)。振り返ると疣岩山がこちらを優しく見つめているようだ。今度はいつ来るだろうか。
前方にはピラミダルな山容の鏡山が青黒い。巻岩山から30分ほどで上ノ越(1297m)。
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上ノ越分岐の柱標の所まで下りたら、鏡山への登山道を右に見送り、駐車場を目指す。
コブシの白い花が散見される。太郎ブナと呼ぶにふさわしいブナの大木も何本か見られる。
前半は斜度が緩いが、後半は斜度がきつくなる。滑ったり転んだりして怪我をしないように気をつけながら着実に高度を下げる。
祓川の水音が聞こえてくれば駐車場も近い。
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