■ |
飯豊山神社(遥拝所)や「いいでの湯」がある一ノ木集落を過ぎ、
黒森山を右にみて3kmほど北進すると川入。
以前来た時より道路がだいぶ整備されている。完全舗装路になるのも近いのではないだろうか。
川入集落にて一戸川に架かる橋を渡る。(渡らないで広い道路を直進すれば、小白布沢(桑ノ沢)コース。但し、車輌の通行については要確認。)
橋を渡って500mほどで飯豊鉱泉(2005年に廃業)が右手に見えてくる。
ちょうどここが小白布沢と大白布沢の出合い。往時は参拝者がここの淵で水垢離をしてから飯豊参りをしたという。
大白布沢沿いの離合困難な砂利道の市道を1.5kmほど進めば御沢(おさわ)野営場。
管理棟、トイレ、炊事棟、キャンプサイトが整備されているので登山の拠点として活用できる。
|
■ |
御沢キャンプ場の管理棟近くにあるゲートから指道標に従い杉林の中へ入って行く。
チェーンで車は進入禁止となっている。10分ほど歩き大白布沢に架かる橋を渡った所が川入登山口。
ここで大滝への道を左に分ける。
川入登山口は飯豊本山の山頂神社への表参道として古くから利用者が多い。
登山口にある風化した祠や石標、樹齢400年以上の4本の大杉と樹齢200年以上の2本の栃の木が歴史を感じさせる。
|
■ |
登山開始直後から「長坂」と呼ばれる急登となる。
下十五里、中十五里、上十五里は広場となっており休憩ポイントとなる。
一里が十五里にも思われるという所からその名前が付いたとか・・・。往時は休憩小屋があったようだ。きついが着実に高度を稼げるのが嬉しい。
所々ブナの大木も見られる。登山道沿いにはイワウチワが随分と群生している。
5月前半ごろが見頃だろうと思うが、長坂の下の方と上の方でも開花状況に随分と差があるのではないだろうか。
|
■ |
高度が高くなってくると北西方向に三国岳の雄姿を望めるようになる。
登山口から1時間40分くらい登ると笹平。この辺の登山道は洗堀が進み、側溝状態となっている箇所も多い。
笹平からは次第に斜度が緩やかになり、横峰付近からは平坦に近い道を進む。
登山道沿いにはイワカガミが随分見られるようになる。
横峰には朽ちた材木やトタンが積まれてある。掛小屋の跡だろうか。
|
■ |
横峰を過ぎると間もなく桑ノ沢(小白布沢)からの道を右から合わせる。
右手前方に地蔵山がよく見える。登山道も平坦で歩きやすい。
登山道沿いには様々な植物が花を咲かせており楽しめる。
やがて地蔵山山頂への道を右に見て、左の巻き道(地蔵水場道)を進む。
ここには地蔵水場(峰秀水)がある。
長坂を終え、剣ヶ峰に取りつく前の絶好の場所にある甘露の清水。
夏場でもキンキンに冷え、水量も豊富なのでお勧め。
※水場付近は落石が見られた。念のため頭上に注意したい。
|
■ |
ダケカンバの疎林近くを通り、
地蔵水場から10分ほど歩くと地蔵山山頂からの道を右から合わせる。
ここから道は少し下り傾斜となるが、道沿いにはシラネアオイ、ショウジョウバカマが見られる。
平坦な道になってすぐの湿地部分にはイワイチョウの群落が見られる。
やがて剣ヶ峰が近づいてくるとヒメサユリの花が見られるようになる。
南側のタカツコ沢方面の眺めもいい。
|
■ |
いよいよ三国岳名物の剣ヶ峰に取り付く。鎖場を過ぎると刃先の上を歩くような細くて険峻な岩場が続くので慎重な振舞いが必要。
6月下旬、岩尾根上はゴゼンタチバナやサラサドウダン、コメツツジ、ウラジロヨウラクなどの花々が目立つ。
北側の七森沢や四ツ森沢の大きなスケール感も中々いい。
※剣ヶ峰付近は滑りやすく滑落の危険が高い場所です。過去に死亡事故も発生しています。慎重に通過しましょう。
|
■ |
山頂が近づいてくると「水」と白ペンキで書かれた岩がある。ここから下へ少し降りて行くと水場(剣ヶ峰水場)があるそうである。
水量が少ない時も多いそうなので、涸れることがあるかもしれない。あまりあてにしないこと。
山頂直下付近には、チングルマやミヤマキンポウゲ、ハクサンチドリが見られた。
水場への道を右に見送り5分ほど登ると三国岳避難小屋に着く。
小屋の南西の少し高くなった所が山頂。残念ながら三角点はない。
[ 参考 ] 三国小屋は2004年に改築された。それまでは朱色の目立つ外壁だったが、一変してシックなこげ茶色となった。
夏山シーズン(7/1〜10/1)は管理人がいる。協力金として一人一泊2500円、トイレ100円が必要。テントサイトはない。
トイレも管理人がいる期間は水洗トイレが使えるが、ペットボトルで500cc程度の水の持参を呼び掛けている。
(最新情報については要確認)
|
■ |
山頂からは飯豊連峰の最高峰「大日岳」の眺めがいい。
川入口から飯豊本山までは健脚であれば往復12時間前後で日帰りが可能であるが、
一般の登山者は三国小屋または切合小屋にて一泊は必要。
6月下旬、三国小屋から切合小屋方面へ少し下った所で、イワイチョウ、オノエラン、ユキザサの花が見頃だった。
|