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裏磐梯スキー場からのコースは登山者で混雑する八方台登山口とは異なり大変静か。
裏磐梯の荒々しい景色を心行くまで堪能できる周回ルートが可能なのでお勧め。
裏磐梯登山口から1時間ほど歩くとスキー場ゲレンデ上部。
なお、スキー場クローズ期間中にスキー場駐車場を利用できる場合は歩きもかなり短縮される(要確認)。
スキー場ゲレンデ上部の東側に櫛ヶ峰を経由する噴火口方面の登山口、西側には銅沼(あかぬま)と中の湯を経由する登山口がある。
今回は、東側から入って山頂を目指し、中の湯と銅沼経由で西側から出てくる周回ルートとする。
初めは雑木林の中を歩くが次第にガレ道に変わる。
[ 追記 2012.06.02 ] 平成23年度より試行されていた携帯トイレの利用ですが、平成24年度より本格運用されます。
詳しくは東北地方環境事務所のページをご覧ください。
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40分ほど歩くと「噴火口」の指道標がある。ここで川上登山口からのコースと出合う。
櫛ヶ峰と磐梯山の北側の荒々しい姿が間近に迫って迫力がある。表磐梯の穏やかな表情とは対照的。
崩落の止まない火口壁の下で泥土に埋もれる木々が痛々しい。噴気も確認できる。
下り傾斜だった登山道は、次第に上り傾斜に変わり火口壁へ取り付く。
[ 参考 ] 1888年(明治21年)の大噴火で
小磐梯が吹き飛んだのはこの辺だろうか?500名近い人が亡くなったと云う。
1888年というとだいぶ前のような気がするが、地球規模のタイムスパンで考えると
つい最近のことであろう。常に気を抜けない山域でもある。
磐梯山は今でも噴火の危険のある活火山であることを忘れてはならない。
念のため、入山前には火山情報を確認したい。
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火口壁の登りは火口上部(櫛ヶ峰と磐梯山の鞍部)を目指しての急登となる。
雨天時は滑り易いので注意が必要だろう。地震や大雨の後は落石や土砂崩れ等にも注意したい場所。
途中、北側を振り返ると火口原と銅沼そしてその先には桧原湖や五色沼が美しい。
荒々しい櫛ヶ峰も眼前に迫り裏磐梯らしい迫力がある。
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火口上部は風が強い時が多いので注意が必要。ガレ場を少し登ると黄金清水。
冷たい水で喉を潤すことが出来る。水量も豊富。ここから山頂までは40分程度。
7月上旬、イワカガミやアズマギクが綺麗であった。体力と時間に余裕があれば沼の平付近も散策したい。
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火口上部から30分程で弘法清水。各登山コースの合流地点になっており山頂に至るには必ずここを通らねばならない(翁島コースを除く)。
ここには簡単な飲食や休憩ができる小屋が2つあり、登山客で賑わいを見せる。山頂までは25分程。
山頂には磐梯明神と刻まれた岩と平成四年に寄贈された新しい小さな祠がある。
[ 参考 ] 深田久弥の「日本百名山」(新潮社)の磐梯山の頁に、
「沼ノ平から旧河口壁を登りきると、草原風の広い尾根になり、やがて弘法清水という甘露の水の湧き出ている所へ着く。」
とある。深田久弥もこの弘法清水で喉を潤したことだろう。なお、深田久弥の辿った行程は次の通り。
(上り)猪苗代スキー場 → 鏡沼 → 沼ノ平 → 弘法清水 → 山頂。
(下り)山頂 → 弘法清水 → 中の湯 → (裏磐梯スキー場)→ 檜原湖。
表磐梯と裏磐梯を楽しめるコース。
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独立峰だけに山頂からは360度の雄大な大パノラマを堪能できる。
眼下には猪苗代湖が広がり、近くには吾妻・安達太良連峰、
遠くには飯豊連峰や南会津の山々が見渡せる。
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帰りは中の湯より北へ分岐し裏磐梯スキー場へ戻る。
上の湯と下の湯は明治の大噴火で無くなり中の湯だけが残ったが、
90年代後半に中の湯は廃業し建物も閉鎖されている。中の湯から40分程で銅沼。
銅沼より西日に照らされた櫛ヶ峰と磐梯山を仰ぎ見る。
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猪苗代スキー場の中央ゲレンデ入口が表登山口(猪苗代登山口)。スキーシーズン以外は大きな駐車場を無料で利用できる。
ここから指道標に従って、ゲレンデの西側の砂利道を延々と登ってゆく。
以前、夏場の晴れた日に歩いたことがあるが暑くて大変だった。
登山口から1時間ほど登ると「はやま第6リフト」終点。
ここから東側へ向きを変え少し歩くと「お馬返しゲレンデ」の上部。植生保護の為に立ち入り禁止のトラロープが張られていた。
ここには環境省が設置している登山者の計数装置があった。
計数装置の所から所々階段状に整備された道を15分ほど登ると「天の庭」(一合目)。猪苗代湖の眺めがいい。
ここからいよいよスキー場に別れを告げて山頂を目指す。
[ 参考 ] ■ 天の庭まで1時間以上登ったのにまだ一合目?と思われるかもしれない。
磐梯山の山頂は十合目ではなく五合目となっているので、ご安心を。
これには、往復で十合目とする説や、富士山の標高の半分とする説、噴火で吹き飛んだ本来の山頂が十合目など、諸説ある。
■ 表登山口の手前には会津藩初代藩主の保科正之を祀る土津神社(はにつじんじゃ)や磐梯山山頂から遷座した磐椅神社(いわはしじんじゃ)が建っている。
詳細は「土津神社と磐椅神社」に記載。
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赤埴山の南西尾根はガレ場が目立つ。6月中旬、オオバスノキやガクウラジロヨウラク、ヤマツツジ、サラサドウダンなど
ツツジ科の花が見頃を迎えていた。
山頂はまだまだ先。ここからは猪苗代湖の展望もいいので、小休止したい。
ガレ場を終え斜度が緩くなってくると赤埴山への分岐の指道標があるが、現在は廃道のようである。
赤埴山山頂の西側をトラバース気味に15分ほど進むとまた赤埴山山頂(二合目)への分岐がある。
赤埴山山頂への道を右に見て直進するすると、10分ほどで今度は赤埴林道への分岐。
赤埴林道への道も右に見て直進すると沼ノ平は近い。
[ 追記 2011.11.12 ] 赤埴山山頂へのコース(分岐1)が通行可能になっています。
下の写真にある分岐1の指導標を覆い隠すロープは撤去され、登山道の刈り払いもされています。(最新情報は要確認)
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赤埴山を背にして、アキグミの白い花が目立つ平坦な登山道を少し進めば、磐梯山と赤埴山そして櫛ヶ峰に囲まれた広い沼ノ平の南端付近。
指道標があり、シナノキが一本生えている。盛夏でも木陰になり小休止にいいだろう。西側には湿原が広がる。磐梯山の東壁も迫力がある。
6月中旬、登山道沿いのミズバショウには白い仏炎苞はほとんど見られない。5月下旬頃が見頃だろうか。
[ 参考 ] 沼ノ平は大同元年(806年)の2郷50村に大きな被害を与えた大噴火で形成されたといわれる。
ちょうど弘法大使(空海)が33歳で唐から帰国した年にあたる。
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ダケカンバやスダヤクシュの目立つ登山道を暫く登ると渋谷登山口分岐。
渋谷登山口への道を右に見て直進すると、磐梯山と櫛ヶ峰の鞍部。ここで裏磐梯スキー場や川上登山口からのコースと出合う。
途中、サラサドウダンやナナカマド、ハクサンチドリの花が目立った。鞍部から山頂までは1時間ほど。
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昭和の森(旧:天鏡台)の西側のゲートを、猪苗代リゾートスキー場側に抜けた所に翁島登山口がある。
登山口には広い駐車スペースと朽ちた案内図、登山者ボックスがある。
ここから乳下林道と何度か交錯しながら登ってゆく。
初めはメインゲレンデ(パノラマコース)西側の雑木林の中を登ってゆくが、
15分ほど登るとゲレンデを横切り、メインゲレンデ(パノラマコース)東側の雑木林の中の登りに変わる。
[ 参考 ] 昭和の森には昭和天皇御手植樹がある。昭和45年5月19日に開催された全国植樹祭で昭和天皇皇后両陛下が植えられたもの。
その後天鏡台は昭和天皇在位50年を記念して昭和の森と改名。森林公園として整備され、家族連れで楽しむのにもいい。猪苗代湖の眺望絶佳。
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高度を上げるに従って南側の猪苗代湖の眺めがよくなる。
9月上旬、チゴユリやオオバクロモジ、ハナヒリノキの果実が目立つ。リョウブも目立つが名残り咲き。
ゲレンデを左に見ながらミズナラの目立つ雑木林の中を登ってゆく。
登山口から45分ほどで大岩の上に置かれた石祠の脇を通過。
石祠から15分ほどでスキー場のゴンドラ終点駅への分岐地点。
[ 参考 ] 猪苗代リゾートスキー場のゴンドラが稼働している時には利用すれば1時間ほど短縮できる。
ゴンドラ稼働時期は4月下旬から11月初旬頃まで。
平日でも稼働している時や土日でも運休している場合があるので、利用を検討する場合は事前に確認したい。
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ゴンドラ終点への分岐地点から少し上ると環境省の設置した登山者の計数装置がある。
やがてトラロープ頼りの岩場があるので慎重に通過すると、頭上が開けてガレ場(賽ノ河原)となる。
南側の展望がいいので、ぜひ視界の良い日を選んで登っていただきたい。
9月上旬、イワインチンやヤマハハコ、ウメバチソウの花が綺麗。イブキジャコウソウは名残り咲きで少し見られる程度。
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ガレ場の大岩には白ペンキで四合目と書かれている。
磐梯山は山頂が五合目なので、一般的には八合目に相当する。
9月上旬、名残り咲きのホツツジが美しい。
四合目から5分ほど上ると天狗岩。弘法清水の先にも天狗岩があるので区別したい。
ここから見る猪苗代湖は、まさに天を映す鏡。
天狗岩からガレ場を25分ほど上れば山頂。
[ 参考 ] 10年以上前になるが2月下旬の積雪期にこのコースを登ったことがある。
アイゼンやピッケルなどの冬山の装備が必要となるが、銀嶺の眺望が見事でお勧め。
猪苗代リゾートスキー場のゴンドラを利用すれば体力的にも楽。
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独立峰だけあって山頂からの眺望は素晴らしい。360度、遠望できる。
西側の猫魔ヶ岳の南斜面はアルツ磐梯スキー場、北斜面には裏磐梯猫魔スキー場。
猫魔ヶ岳の先には雄国沼と雄国山。遠方には飯豊連峰。
北側には裏磐梯の湖沼群と吾妻連峰。遠方には朝日連峰。
東側には櫛ヶ峰の東肩の先に安達太良連峰。南側には天鏡といわれる猪苗代湖。
[ 参考 ] 山頂にあるはずの三等三角点の標石は見当たらない。
国土地理院の「点の記」で磐梯山山頂に置かれた標石の現況欄を確認すると紛失したようで残念。(最新情報は要確認)
[ 追記 2010.10.18 ] 2010年10月16日、三等三角点の標石が復旧しました。詳細はコラム「愛しの磐梯山」に記載。
2010年12月27日には国土地理院からGPS測量の新成果が発表され、磐梯山の標高は1818.61mから1816.29mに変更されました。
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裏磐梯の玄関口ともいえるのが磐梯山の東麓にある川上温泉。ここにも磐梯山の登山口がある。
旅館や民宿、ペンションが数軒あるので登山のベース基地としても活用できるだろう。
日帰りで温泉に入れるのも嬉しい。
登山口は500mほど離れて川上登山口(南)と川上登山口(北)の二箇所あるが40分ほど歩くと合流する。
川上登山口(南)は湯泉神社から脇道を登ってゆく。登山口に駐車場があるが、「私有地につき無断駐車お断り」の看板があるので、
マイカー利用の場合は付近に適当な駐車スペースを見つけるしかない。50mほど歩くと指道標があるので、右へ分け入る。
すぐに不動滝分岐となる。登山道は左だが、直ぐ近くなので右へ進み不動滝を見て分岐まで戻り左へ進む。
オシダの目立つ登山道を登って行く。高度を稼いでいくとやがて北東側が開け、中吾妻山や西吾妻山、西大巓の眺めがいい。
6月上旬、サワグルミの花やタニウツギの花が咲いていた。田植え花ともいわれるタニウツギの花が咲くと、雪深い会津も田植えが始まる。
[ 参考 ] ■
川上登山口(南)と川上登山口(北)は、各々、川上登山口(下)や川上登山口(上)という表記もされる。
また、川上登山口(南)を川上温泉登山口として、川上登山口(北)を単に川上登山口という場合もあり、少々紛らわしい。
■トンボの名称も紛らわしい。写真のカワトンボは以前はヒガシカワトンボと言っていたが、近年DNA解析により分類が見直され、
ヒガシカワトンボとオオカワトンボは「ニホンカワトンボ」、ニシカワトンボは「アサヒナカワトンボ」となった。
[ 追記 2012.06.02 ] 川上登山口(南)は廃道となりましたので、川上登山口(北)をご利用ください。
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川上登山口(北)は、川上登山口(南)から国道459号線を500mほど北進した所にある。
こちらにはマイカーなら数台収容できる駐車スペースがある。マイカー利用の場合はこちらの方が便利だろう。
登山箱と環境省が設置した入山者の計数装置があるところをみると、南口より北口の利用が多いのかもしれない。
オシダの目立つ小川沿いの登山道を登って行く。途中、左手に小さな沼(湯沼)を見る。
40分ほど登ると、川上登山口(南)からのコースと合流する。
[ 参考 ] ■川上登山口(北)からのコースは、
国土地理院の2万5千図に掲載されている破線より少し北側に変更になっているので注意(最新情報は要確認)。
■2009年に登山口脇に「山の駅」がオープンした。農産物の直売所や食堂があるようなので、時間があれば立ち寄ってみるのもいいだろう。
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川上登山口(南)から40分ほど登ると川上登山口(北)からのコースと合流する。
合流する前に小川を渡る。合流地点はカラマツ林が美しい。
6月上旬、林床にはヤグルマソウやベニバナイチヤクソウ、ツマトリソウ、クルマバソウが花を咲かせていた。
火口原が近づくとダケカンバや赤松の林が目立つようになる。
登山道にも火山岩が目立つようになるが、道は比較的平坦で歩きやすい。
6月上旬、イワナシの花はほぼ終わり、実をつけていた。
2009年6月22日の豪雨によるものだろうか、登山道が分断されており、少々迂回して進む。
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火口原を暫く進む。火口原は泥が堆積しており、踏み跡も不明瞭。小動物の足跡が残っていた。ハクビシンだろうか。
雨の日などは泥濘になるかもしれない。
だだっ広い火口原では方向を見失わないように、赤ペンキや赤布、トラロープなどに気をつけたい。
霧などで見通しが利かない場合は地図やコンパスも時々確認した方がいいだろう。
泥濘はやがてガレ場に変わり、裏磐梯登山口からのコースと合流する。
火口壁が間近に迫り、荒々しい光景が広がる。少し遠くには噴気も見られる。
卵の腐ったような硫化水素の臭いがする。
6月上旬、エゾハルゼミの鳴き声が一帯に響き渡っていた。
土石流で分断された登山道を少々迂回して、再び樹林帯の中を登り火口壁へ取りつく。
火口壁から先は、裏磐梯登山口からのコースをご覧いただきたい。
[ 参考 ] ■川上登山口からのコースを利用する場合は最新情報や入山規制に気をつけたい。
2009年6月22日の豪雨で土石流が発生したのもこの辺だろう。雨天の時はとりわけ慎重に入山したい。
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磐梯山ゴールドラインの最高地点が八方台。八方台駐車場から東側へ車道を渡った所に磐梯山の八方台登山口がある。
駐車場の奥(西側)には猫魔ヶ岳の登山口もあるので、新緑や紅葉の時期の週末は混雑する。
八方台登山口には登山箱と環境省が設置した入山者の計数装置がある。ブナ林の中の広い快適な登山道を登り始める。
10月上旬、八方台付近の木々は黄葉の見頃。
登山口から30分で中の湯跡。廃屋の手前では今も熱い温泉が湧き出ており、硫黄温泉特有の匂いがする。
[ 参考 ] ■磐梯山ゴールドライン(有料道路)は4月中旬頃〜11月中旬ごろまで開通している。
南側に源橋料金所、北側に桧原料金所がある。通行料は普通車で730円。
最高地点は八方台の1194m。
八方台より源橋側には、山湖台、滑滝展望台、とび滝展望台、まぼろしの滝、
桧原側には黄金平、望湖台などのビューポイントがある。なお、2013年7月24日で償還終了予定。
■中ノ湯跡で卵の腐乱臭が異常に強い場合は火山性ガス(硫化水素や二酸化硫黄)の濃度が高いと考えられる。
廃屋近くに湧き出ている源泉付近には近寄らない方が無難。
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中の湯跡付近にある小湿地帯の木道を歩き、木段を登ると間もなく裏磐梯登山口への分岐。
ここから登山道は次第に斜度がきつくなり、根張りが多くなってくる。
所々左側に崩落個所がありトラロープが張られているので、慎重に登りたい。
弘法清水に着くまでに北側の展望のいい箇所が2〜3箇所得られる。
桧原湖や吾妻連峰、小野川湖、秋元湖の眺めがいい。
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次第に灌木帯に変わり頭上が開けてくる。
中の湯から1時間ほどで弘法清水とお花畑の分岐。
弘法清水へ直登するコースを右に見送り、左のお花畑の方へ進む。
お花畑は開放的な雰囲気が心地いい。
裏磐梯方面や沼ノ平方面の眺望もとてもいい。天狗岩と櫛ヶ峰が写真の1フレームにうまく納まる。
山頂方向に目を向けると、これから目指す弘法清水の弘法清水小屋や岡部小屋が見える。
弘法清水まではここから5分、弘法清水から山頂までは25分。
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磐梯国際スキー場入口に渋谷登山口の看板がある。ここからまっすぐに延びた舗装路を10分ほど登ると、磐梯国際スキー場のセンターハウス。
マイカーの場合はスキー場の駐車場を利用できる。スキー場のゲレンデ内の砂利道を登り始める。第1リフト終点付近から、ゲレンデを一度離れる。
6月中旬、ハリエンジュ(ニセアカシア)の散った白い花で作業道は真白。暫くして、最終リフトの始点に至る。
環境省が設置した入山者の計数装置を過ぎると、ゲートと登山者カードを入れる登山箱がある。
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作業道を暫く登ると右手に砂防ダムが見えてくる。沢水で濡れた作業道を進むとすぐに渋谷登山口の看板がある。
狭義にはここが渋谷登山口となるだろう。ここを右に入り、三度ほど作業道と交錯しながら登山道を登ってゆく。
ナナカマドとダケカンバの大木が目立つ。
6月中旬、登山道沿いにはタニウツギ、タニギキョウ、ベニバナイチヤクソウ、ウラジロヨウラクの花が目立った。
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頭上が開けてくると磐梯山が見えてくる。赤ペンキでの案内目印も付けられている。
6月中旬、ハクサンチドリ、コウリンタンポポ、エゾイワハタザオの花が咲いている。
ガレた登山道に変わると、ミネヤナギや背丈の低いウラジロヨウラク、マルバシモツケ、イワカガミ、
そして磐梯山の固有種であるバンダイクワガタが目立つ。
磐梯山の東壁が間近に見えてくると沼ノ平も近い。
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櫛ヶ峰を右に見ながら沼ノ平の中を進む。6月中旬、矮小化したヒメコマツ(キタゴヨウ)の薄紫色の花やレンゲツツジの群落が見頃。
1406mピーク付近では、磐梯山東壁と櫛ヶ峰の迫力ある姿がどちらもよく見える。活火山のエネルギーを体で感じる。
天狗岩方向を見ると踏み跡があるので進んでゆく。道端にはアカモノの可憐な花が目立つ。
間もなく表登山口(猪苗代登山口)からのコースと出合う。
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ムラサキヤシオの名残咲きを見ながらガレ場を登ると磐梯山と櫛ヶ峰の鞍部。
ここで裏磐梯スキー場や川上登山口からのコースと出合う。三合目の石標があり、ミヤマキンバイの群落も見られる。
鞍部の北側の火口壁は深く崩れ落ち、その先には火口原が広がる。銅沼の先には桧原湖が見える。
鞍部から7〜8分ほど登った所には黄金清水がある。冷たく水量も豊富でとてもうまい。天狗岩の眺めもいい。
ここから15分ほどで弘法清水。弘法清水から眺望の山頂までは25分ほど。
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