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国道121号線落合地区の会津鉄道「養鱒公園」駅の駅前より林道「大峠線」に入る。
車で10分程で観音沼が左に見えてくる。観音沼からさらに車で15分程で乗用車なら10台以上は駐車できる駐車スペースがある。
途中「日暮滝」や「雨量観測所」がある。駐車スペースから登山口となる林道終点までは15分程。
林道は最初は舗装されているが駐車スペースが近づく頃には少々悪路となる。
登山口には石標があり林道終点(松川街道)右:野際新田、左:大峠と書かれている。
登山口から「鏡ヶ沼分岐」までは10分弱。落葉松の林の中の少々ザレた広い道を歩く。
松川街道(会津中街道)は1695年に会津藩によって開削されたものだが、一部区間は現在の登山道より東側を通っていたようである。
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登山口から30分程歩くと大峠。途中枯れた沢で道は二分するが程なく合流する。
右側の一旦下る道の方が歩き易い。ケルンと新旧の地蔵が道行く人々の安全を見守ってくれている。
左(東)が三本槍岳、直進(南)が三斗小屋温泉、右(西)が今回の目指す三倉山方面となる。
流石山東側斜面の笹薮の中の細い登山道を登り始める。高度を上げると次第にザレた道に変わる。
[ 追記 2023.07.04 ] 7月2日(日)昼過ぎ、いわき市から登山に来ていた女性(60代)が、
大峠から流石山へ向かう登山道の途中で突然出てきた熊と遭遇して腕を噛まれ、
防災ヘリで会津若松市の病院に運ばれました。軽傷とのことです。
熊は体長80cmほどだったそうです。去年は餌となるブナの実が豊作で今年は子熊や若い熊も多いようです。
他の山ですが、私も10mほどの至近距離で体調1mくらいの熊と突然出合ったことがあります。
その時は少し油断して熊鈴をしていませんでした。あともう少し近かったら危なかったと思います。
熊鈴や大きな音を出すなどして、人間の存在を離れた所から知らせるように心がけましょう。
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大峠から50分程で「白ハゲの頭」と呼ばれる1790m地点に到達する。
ここから東側を振り返ると真っ白な噴煙を上げる茶臼岳を初めとする雄大な那須連峰の眺望が見事である。
山麓には三斗小屋温泉も見える。西側にはこれから登る流石山山頂が直ぐ近くにあり、遠くには稜線越しに大倉山が見える。
大峠からここまでのガレた斜面には7月後半になるとニッコウキスゲを初めとしてウスユキソウ、ハクサンフロなどの高山植物が咲き乱れる。
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「白ハゲの頭」から5分程で小狭い流石山山頂。
山頂には下郷町音金地区が平成11年に設置した柱標があるので、当サイトではこのピークを流石山山頂とした。
ガイドブック等にはこの先の1822mピークを山頂とするものもある。
山頂からは360度の雄大な大パノラマを堪能できる。特に、大倉山へ続く稜線が美しい。
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流石山から大倉山への稜線上を気持ちよく歩く。稜線上にはハイマツやシャクナゲ、ナナカマドが美しい。
流石山を過ぎた辺りから南側に深山湖が見え始める。流石山から50分程歩くと「キスゲ小沼」、さらに5分程で「五葉の泉」。
まるで飯豊連峰の縦走のような雰囲気に魅了される。
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流石山から70分程で大倉山山頂。
山頂には下郷町・下郷地区山岳遭難対策協議会・下郷町登高会が共同で設置した大倉山1885mの柱標が設置されているので、
当サイトではここを大倉山山頂としたが、ガイドブックなどではこの手前の1831mピークを山頂としているものもある。
ハイマツやシャクナゲに覆われた狭い山頂も360度の大パノラマが展開し、北西には急峻な東側斜面を持つ三倉山の眺めが見事。
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大倉山から20分程で1854mピーク。
ガイドブックによってはこの先の1888mピークを三倉山本峰とし、ここを三倉山と呼ぶ場合もあるが、
当サイトではここを1854mピーク(三倉山前衛峰)と呼ぶこととする。
ここには木枠で囲まれた三等三角点と、文字が判別できなくなった古い鉄板製の看板がある。
稜線上にはイワカガミやショウジョウバカマの群落、ミネヤナギやウラジロヨウラク、コメツツジなどの低木も見られる。
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1854mピークから15分程で三倉山山頂。
山頂は小広く360度の大パノラマが楽しめる。北には小野岳や大戸岳、飯豊連峰。
北東には二岐山や小白森山、大白森山、旭岳、吾妻・安達太良連峰、猪苗代湖。
東には流石山越しに那須連峰が少々遠くに見える。南東側には先ほどまで歩いてきた流石山〜大倉山の稜線が美しい。
山頂から北西の唐沢山を経由して音金地区の音金登山口(音金稲荷神社)まで登山道はあるようだが
時期によっては少々藪漕ぎを強いられるかもしれない。
(7月第3日曜日の山開き前後が歩き易いのではないだろうか。)
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